vs『冬をもたらす機械』フロストマシーンS号(戦闘者:ヴァイス&ヴァイスリッター・アイン)
※ここからはパラレルワールド的要素を含みます。ご注意下さい。
「では、始めるとしましょうか」
エリア“セレブ・ボーダー”にて。
武装の充実を終えたヴァイスは、“ストライカー改”の銃口を向けて告げる。
『“偽物”よ、わたくしと決闘なさい!』
銃口を向けられたシンプルなデザインの機体は、何も言葉を発さず――ただ、背中の円柱を回していた。
「ただいま、J陣営の“ヴァイスシルト・リリア・ヴァレンティア並びにヴァイスリッター・アイン”と、♣️陣営の“フロストマシーンS号”との決闘が成立いたしました。繰り返します。ただいま、J陣営の“ヴァイスシルト・リリア・ヴァレンティア並びにヴァイスリッター・アイン”と、♣️陣営の“フロストマシーンS号”との決闘が成立いたしました。これよりカウントダウンを開始いたします。5, 4, 3, 2, 1, 0! 決闘開始!」
『参りますわよ……!』
ヴァイスの怒りは、最高潮にあった。
*
ヴァイスが戦闘を開始した、その頃。
「寒いな……。ここはサナートか?」
「いえ、エリア“セレブ・ボーダー”です」
「そうか」
「ぴよよ……」
金髪の美少女に30cm程の人形、そして巨大なひよこが、冷気に不快感を示していた。
「む、あの白い鋼鉄人形……まさか。ソフィア」
「ええ。あれは恐らく……」
美少女達一行は、ヴァイスリッター・アインを察知した。
*
(っ……やはり銃弾は逸らされているわね)
“ストライカー改”を連射するヴァイスだが、どういう訳かフロストマシーンS号に一発も命中しない。
(これは……マイスナー効果!)
マイスナー効果。
特定の金属などを絶対零度手前まで冷却すると、磁力の反発力が生まれ、磁力を有する物体を寄せ付けない効果。
これにより、“ストライカー改”の弾丸は全て逸らされていた。
(では、こちらなら……!)
ヴァイスリッター・アインが“ストライカー改”を投棄し、250mmバズーカ砲“ハウリング”を構える。
「受け取りなさい……!」
長大な
が――“ストライカー改”の弾丸同様に、逸らされてしまった。
(炸薬が炸裂していない……。実体武器では、効果は無いと見るべきかしら?)
ヴァイスはヴァイスリッター・アインに“ハウリング”を構えさせたまま、頭部のカチューシャ――もとい、
魔力の弾丸に磁力など無い。マイスナー効果を完全に無視し、途中で凍って硬度を上昇させた弾丸は、次々とフロストマシーンS号の装甲を削り始めた。
雨あられと向かってくる40mmの魔力弾に、
生成され続けていた冷気は、ここで途絶えたのだ。
「己が行いを冥府で悔いなさい」
ヴァイスの冷ややかな声が響くと同時に、ヴァイスリッター・アインが氷剣を構える。
だが、フロストマシーンS号も最後の足掻きとばかりに、ヴァイスリッター・アインとの距離を詰める。そのまま突進するつもりだ。
『お姉様、そのまま“ハウリング”を!』
突如、シュシュからの声が響く。
片手だけで“ハウリング”を撃て、というのだ。しかしそんな無茶をすれば、如何に“ハウリング”が
『わかったわ』
そこでヴァイスは、氷剣を地面に突き立ててから“ハウリング”を構えた。そして間もなく照準を合わせると、素早くトリガーを引いた。
だがフロストマシーンS号は、跳躍して砲弾を回避した。
(哀れね)
攻撃を回避された事実を見たヴァイスは、それでもなお余裕を湛えていた。
次の瞬間――
フロストマシーンS号のすぐ背後で、爆風が発生した。
そしてそれは、フロストマシーンS号を容易く押し上げる。
それを見たヴァイスリッター・アインが“ハウリング”を放り捨てると、大地に突き立てた氷剣を素早く抜いて構える。
『さようなら、“偽物”』
ヴァイスは何の感慨も抱かずに告げると、一瞬の内に氷剣に魔力を充実させ、光条として解き放った。
無防備なフロストマシーンS号には、回避する手段は無かった。
「決闘終了。勝者、“ヴァイスシルト・リリア・ヴァレンティア並びにヴァイスリッター・アイン”。繰り返します。勝者、“ヴァイスシルト・リリア・ヴァレンティア並びにヴァイスリッター・アイン”。これにより、J陣営に1のアグニカポイントが付与されました」
自らの勝利を告げるアナウンスを聞き届けたヴァイスは、ヴァイスリッター・アインの手から氷剣を消滅させて“ストライカー改”と“ハウリング”を拾い上げると、その場を立ち去ろうとする。
(あら……こんなところで、何をやっているのかしら?)
と、不思議な一行を発見した。
(金髪碧眼の美少女、巨大なヒヨコ……それに、もう一つ何かいるわね。コンタクトを取ってみましょうか)
ヴァイスリッター・アインの背面から魔力を噴射させ、飛翔体勢を取ると、素早く正面に回り込んだ。
そして片膝を付かせ、拡声機から発する。
「皆様、ここはお寒いでしょう。よろしければ、わたくし達の拠点へいらっしゃいませんか?」
ヴァイスはモニター越しに美少女を見据え――そして自らがとんだ無礼を行ったのを後悔した。
金髪碧眼の美少女は――ララ・アルマ・バーンスタイン。
既に一軒家へ引き入れた、ネーゼ殿下ことネーゼ・アルマ・ウェーバーの妹――即ち、アルマ帝国の皇女であったからだ。
「ッ、申し訳ございません!」
素早くヴァイスリッター・アインから降りたヴァイスは、ララの前にひざまずく。
「とんだご無礼を――」
「いえいえ。そんなにかしこまらないでください、ヴァイスシルト殿下」
「え?」
恐る恐る、
そこには、にこやかにほほ笑んだララがいた。
「ヴァイスシルト・リリア・ヴァレンティア殿下ですね。話は聞いております。私は同じJ陣営のララ・アルマ・バーンスタイン。貴女の……いえ、貴女方の仲間です。ここは一つ、そのご招待に応じます」
「ありがとうございます!(10歳くらいかしら……? それにしては、凄まじいまでの威厳をお持ちでいらっしゃいますのね)」
こうしてヴァイスはララ、ヒヨコことヒナ子、そして従者である人形のソフィアを連れ、拠点である一軒家へと戻ったのであった。
作者からの追伸
有原です。
まずはお礼を述べさせていただきます。
暗黒星雲様、ビト様。
キャラクターをお貸しいただき、ありがとうございます。
更に戦力が合流し、もはや龍野達の拠点はJ陣営の要塞と化しました。
戦力も充実し、いよいよJ陣営の巻き返しを狙える状況にありますね。
さて、前座はこのくらいにして。
例の寸劇を始めるとしましょうか!
(少々過激な寸劇3、開始)
---
ララ(20歳)
「さて、貴様で最後だ我が姪よ。やってくれたな」
ブランシュ
「……」
ララ
「よりにもよって私の抱き枕を作るなど、どれだけ性癖をこじらせればそうなるのだろうな?」
ブランシュ
「ッ、叔母様……」
ララ
「一発殴らせろ……と行きたいのはやまやまだが、生憎貴様は女だ。顔への暴力はお互いに禍根を残す。そういう訳で、そのベッドに四つん這いになれ」
ブランシュ
「は、はい……」
ララ
「シーツを掴んで歯を食いしばれ、このバカ姪が!」
パァン! パァン!(尻をひっぱたく音)
ブランシュ
「うぅ、二発ではありませんか、叔母様……」
ララ
「馬鹿者! 二発どころか百発が適当だ、これだけで済んで良かったと思え!」
ブランシュ
「お、叔母様……」
ララ
「何を喜んでいるのだ? まだ終わっていないぞ。正面を向け」
ブランシュ
「は、はい……」
ララ
「ったく貴様はっ! 何たるモノをぶら下げているのだ、あぁん!?」(ブランシュの胸を揉み始める。なお18歳である為、まだ98cm(K)。最終的には112cm(O)まで成長する)
ブランシュ
「ひっ、お、叔母様……!」
ララ
「ネーゼ姉様譲りと言わんばかりの巨大なこいつを持ちおって、我が姪ながら何と腹立たしい! ん? 何だこのドレスのシミは?」
ブランシュ
「ひゃぅっ、そ、それは……」
ララ
「まさかこれだけで、欲情しおってからに……! これは一度、叔母としての
ブレイバ
「叔母様。その大任、是非僕にお任せを」
ララ
「全く、貴様か。だが、既にこやつの体と心は貴様のものだからな。任せるとしよう。しかし、私の溜飲はまだ、下がっていない。どうやって下げてくれる?」
ブレイバ
「コトが終われば、是非僕の尻尾を堪能してください」
ララ
「終わったら呼びつけろ」(部屋を出る)
ブランシュ
「あ、ありがとうございました騎士様……きゃっ♪」
ブレイバ
「主の躾も騎士の仕事だ、覚悟してよ姫様」
ブランシュ
「ええ、騎士様」
(数分後)
ララ
「ようやく始めたか……。しかしまあ、何と言うか……『若気の至り』とは、恐ろしいものだな」(外で様子を伺っていた。この後は適当に皇城を散策する)
(数時間後)
ララ
「戻ったぞ。もふらせろ(まったく、我が姪ながら何という姿を晒しているのか……。
ブレイバ
「どうぞ、ご堪能下さいませ」
ララ
「まったく……。あぁ、何という触り心地……。流石ハーゲンの息子だ、ふふふ」
ブレイバ
「感謝の極みです」
ララ
「あぁ、癒される……のわっ!?」
ブランシュ
「叔母様、可愛いですわ~!」
ララ
「や、やめろ、わかったから、その馬鹿でかいモノを押し付けるな!(ああもう、いつになったらまな板から脱却出来るというのだ……!?)」
ブランシュ
「あぁ、ついに約束通り、叔母様を抱き枕に……」
ララ
「それはそうだが……なっ!?(な、何だこのブレイバという男は!? もう股ぐらがいきり立っているだと!? 数時間掛けて躾をしたというのに、一体全体この男はどれだけ絶倫なのだ!?)」
ブレイバ
(ごめん姫様、そのむっちむちなお尻を突き出されたら、世の中の男は間違いなく姫様を襲うよ。僕含めて、ね)
ブランシュ
「叔母様~❤」
ララ
「やめろ、いい加減背中にそのでかいものを押し付けるな!(一体何なんだこのバカップルは!? そしてそれを羨ましいと思っている私も私だ! ああもう、帝国のどこかにイイ男はいないのか!?)」
ブレイバ
(ララの頭なでなで)
ララ
「わきゃっ!? こら、子ども扱いするな……ぐ、ぐぐ、ぐるじい……」(ブランシュに潰されかけている)
ブレイバ
「ひ、姫様ストップ!」
ブランシュ
「き、騎士様? って、きゃぁあああああっ!? お、叔母様~!」(体重を乗せすぎてララを気絶させてしまった)
その夜、ブレイバとブランシュは正座させられ、みっちり連続12時間の説教を受けた。
そんな彼らは翌朝二人きりで残されたが、その後何をシたのかは想像に難くなかった――
---
(少々過激な寸劇3、終了)
ララ様はブランシュを一度ぶん殴りたかったらしいので、代替案としてお尻をひっぱたかせました。いくら恨みがあっても、相手が女では、顔はまずいですからね。ちなみにドクター・ノイベルトとドクター・ゲープハルトは、ララ様にボッコボコにぶん殴られた結果、「意識有りの重体」となっております。死ぬほど苦しい、というより死ぬより苦しいでしょうね。恐ろしや。
いかがでしょうか、ララ様? え、どうしてブランシュに押されているかって?
やだなあ、それはもう……
有原の世界では、ブランシュに振り回される運命にあるんですよ、殿下。そんな威厳もへったくれも無い体では、マスコットや抱き枕にされちゃうんですよ。まして相手が、可愛いもの好きの(というよりララ叔母様を愛玩したい)ブランシュとあっては。
そういう訳で、今後も“抱き枕”や“爆乳の餌食”になっていただきます。存分に柔らかな
え? 暗闇に気を付けろ? おお怖い。逃げるとしましょうかね。ってあれ、どうして石を握りしめられているのですか――
(中継が途絶える)
あらら。あちらの世界の私は、ララ様の逆鱗に触れちゃいましたね。
ちなみに、これを機にララ様とブランシュは、仲が良好になります。なるのです。具体的には、近衛隊長直々のトレーニングを施すくらい、良好にね。お陰でブランシュは、ブレイバ並みの格闘戦能力と鋼鉄人形操縦スキルを身に着けます。
では、今回はここまで!
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