(過激描写注意)主と騎士と絶対守護兵器(後半)

「全くもう……ヴァイスのイタズラにも呆れたものだぜ。大丈夫か、ディノ?」

「う、うん……。けど、流石のオレも驚いたよ……」

「まあな。あんなの驚かねえヤツはいねえぜ……」

 無理もない。突然、女が女を襲ったのだ。その道を趣向とする者以外は、誰でも間違いなく驚くだろう。

「しばらくここで休んでな」

「龍野は?」

「ヴァイスをとっちめに……ぐっ!」

 突如として、龍野が屈みこむ。

「りゅ……龍野!?」

 ディノが心配して近づくが、龍野は「離れろ!」と制した。

「お前を襲っちまう……あぁクソッ、限界だ……!」

 が、薬に屈した龍野がディノの肩を掴む。

「悪い、付き合え。限界だ」

「うん、龍野なら……いいよ?」

「後で泣くなよ」

「わかってる」

 返事を聞き届けた龍野は、ディノをベッドの上へ引き倒した。

 破きこそしないものの、暴く手には一切の容赦がない。

「ねぇ、龍野」

「……何だ?」

 と、ディノが潤んだ瞳で龍野を見つめ、伝える。

「実はさっきのヴァイスさんので、ほとんどイイところまでイってたんだ……。ねえ、ちゃんとトドメ、刺して……?」

「お前……やっぱり誘惑する気満々だな」

「そりゃあ、オーケーを出されたら、ねぇ……」

 ディノが話している間に、暴き終える龍野。

 その姿に、ゴクリと生唾を飲み込んだ。

「あはっ♪ やっぱり龍野も、欲しかったんだ?」

「そうだぜ、ディノ」

 既に龍野の目には、鋭い眼光が宿っていた。

「あんっ」

 傷つけないよう、けれど確実に押し倒し、ディノの自由を奪う。

「……んっ」

「……んむっ」

 まずはキスからだ。じっくりと相手の唇の感触を味わう。

 既に二人は、これ以上無い程に相手を求めていた。


     *


「終わりましたわ」

「「ありがとうございます!」」

 一方、シュシュに連れられてネーゼの元まで来たミツルギ三兄妹は、契約を解除してもらった。

「これで、俺たちは自由か」

「待ち遠しかったねー」

「やっと、ショーコ姉さんとデート出来る……!」

 と、三人の行く手にはシュシュがいた。

「では皆様、部屋に案内いたしますわ。少々手狭ですが、悪しからず」

「命を助けていただいた上に宿まで用意してくれたんです、贅沢言える身じゃありませんよ」

 カズヤは笑いながら、シュシュに感謝を述べた。


 1分後。

「着きましたわ」

 シュシュが案内した部屋は、3人が寝るには十分な広さのベッドを備えた部屋であった。

 シュシュ――正確にはその部屋を準備した“家主”であるヴァイスだが――が何を考え付いたかなど、一目瞭然であった。


     *


「ぷはっ」

 その頃、龍野達は熱気の真っ只中にいた。

「それじゃあ、もらうぜ。ディノ」

「もう、いつまでオレを焦らせば気が済むんだい、龍野……?」

「さあな」


 そして、互いの熱を直に味わい始める。


「……ッ!」

「あんっ! すご……」

 少しずつ動き始めるが、お互いに準備万端であった。

 龍野はディノの果実を貪りつつも、熱を味わっていた。

「らめ、そこは……!」

 既に敏感にされていた為に痺れを覚えるディノであったが、静止の声は龍野には届いていなかった。

「~~~~~~~ッ!」

 堪えきれずに、龍野をがっちりと抱きしめる。

 しかし、龍野の動きはそんなものでは止まらなかった。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 力が抜け、体をベッドに預けるディノだが、それでもまだ貪られている。

(まるで、強引にされてるみたい……あはっ♪)

 何かに目覚めた笑みを浮かべるも、龍野には見えていなかった。


 十分後。

「……えっ? まさか、オレの中で――」

 龍野が“限界のサイン”を発しようとしているのを察知したディノ。

「待って、今、それは――」

 けれど、体は“やめて”と言おうとしていない。

 むしろ

「今、されたら、ホントにっ……!」

 そんな懇願を全く聞き入れていない龍野は、ディノを強く抱きしめる。

「……」

「待って、待ってぇっ――」


「………………!」


「~~~~~~~ッ!(何、これ、すごっ……!)」

 遂に限界を迎えた龍野とディノ。

 虚脱状態から強引に叩き起こされ、ディノは、再び龍野を強く抱きしめた。

「はぁ、はぁ……。ねぇ、龍野……スッキリした?」

「……」

 龍野に問うディノであったが、返事は無い。

「……!」

 代わりに、を要求し始めた。

「ひぅっ……! ちょ、待って、これ以上はぁっ……!」

 必死の懇願だが、やはり龍野には届いていなかった。


     *


 三時間後。

「はぁっ、はぁっ、もう、無理……っ!」

「………………!」

「っ……」

 10回目が終わると同時に、ディノは意識を失ってしまう。

「はぁ、はぁ……。おい、ディノ? って、あぁ……やり過ぎちまったぜ……」

 ようやく正気に戻った龍野だが、気を失ったディノを見ると、自らの所業に頭を抱えてしまった。


 更に30分後。

「……ん」

「ようやく起きたか。服はそこにあるぜ」

 意識を取り戻したディノをみて、胸をなでおろす龍野。

「着ながらでいい。お前が絶対守護兵器だってんなら、守ってほしいものがある」

「何だい?」

 ディノが話に食いついたのを確かめると、龍野はこれまでの経緯を話した。

 曰く、フーダニットの“お願い事”。

 曰く、『カンパニー』の悪逆非道。

「……成程ねえ。それならオレは、是が非でも龍野に力を貸すよ。そういう為にあるからね」

「ありがとよ。わりいな、巻き込んじまって」

「いいってば。ところで、一つ言っておきたい事があるけど」

「何だ?」

 龍野がきょとんとすると、ディノは人差し指を突き付けて龍野に告げた。


「契約完了、だね。もうキミだけのものだよ、龍野」


「あいよ」

 ディノの決めポーズにはさらりと、言葉の内容はずしりと受け止めた龍野であった。


     *


 話は前後する。

 龍野とディノが頃、ヴァイスはオペレーティングの準備の為にホテルの客室にいた。

「さて、そろそろシュシュへの助力を……あら?」

 ヴァイスが違和感を抱き、正体を注視する。


 そこには、何故か漆黒に染まった壁があった。


「怪しいわね」

 壁に触るが、何も起きない。

「……思い違いだったかしら?」

 そう割り切り、モニター室へと向かう。

(けれど、あからさま過ぎるのが妙ね……引っかかるわ……)

 ヴァイスは疑念を抱きながらも、目の前のすべき事に集中していた。


     *


 その頃、高度20,000mには、一見すれば三葉虫にしか見えないが漂っていた――。



作者からの追伸


 有原です。

 さて、こういう結果となりました。龍野も大変ですねぇ。

 まあお陰で、(契約が完了した)という設定が利用可能になりました。

 いつ“超巨大な黒っぽい三葉虫”は、獲物になりに来るのでしょうかねぇ? ねぇ、ブレイバ君とブランシュ殿下?


 ………………おーい?


リナリア・シュヴァルツリッター

「申し訳ございません。お二方は今、私のコクピットの中で激しく……」


 オーケイ、わかったぜ、リナリア・シュヴァルツリッター。

 仕方ないので、次から追伸に出すのは「盤上血戯と漆黒騎士」のメンツにいたしましょう。それも、でね。


     *


 ところで、暗黒星雲様。


 “(嘘予告)もふもふと鋼鉄人形Ⅱ”において話された“ブーイング”ですが、

 ただし、代わりと言っては何ですが、一つ要望を出させてくださいませ。


「“俺アン第三章、アルマ帝国編”のイフストーリーを、龍野、ヴァイス、ディノ、ブレイバとブランシュ、ドクター・ノイベルト、リナリア・シュヴァルツリッターを用いた上で(主にストーリー上の展開について)を作成させていただく」というものでございます。


 何かございましたら、応援コメントまでお願いいたします。

 では、今回はここまで!

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