vs 大型トリプルDラングスト(対戦者:玲香)

『ネルソン! ボクの前に何度も現れて、懲りないねえ!』

『フッ、それはキミの話だろう。遠山玲香准尉?』

 互いに光剣を構え、にらみ合うダイバリオンとラングスト。

『行くよ!』

『参る!』

 同時に仕掛ける2機。

 だが、先制攻撃はダイバリオンが取った。

『食らいなよッ!』

 高出力ビームを連射するダイバリオン。

『なんの!(この機体、しかも地上では回避はほぼ無効か。ならばこちらの攻撃を未来予測で命中させ、かつ最低限の動作で致命傷を避けるのみ!)』

 ラングストの抗ビーム電離層でほぼ無効化されるが、ビームは確実に浸透する。

『返すぞ!』

 だが、ラングストもやられっぱなしではない。

 誘導弾ミサイルを多数放ち、ダイバリオンを遠ざける。

『ッ! 伊達にボク達の前に立ち塞がったワケじゃないね!』

『脇ががら空きだぞ!』

 前脚のレーザーソードが、ダイバリオンに襲い掛かる。

(ッ――!)

 避けても誘導弾ミサイルが命中する。かといって動かなければレーザーソードによる斬撃を受ける。

(くっ、多少のダメージは……!)

 玲香が覚悟を決めた、その時。


『ご主人様、おはようございます! 荒っぽくいきますね!』


 少年の声が、ダイバリオンのコクピット内に響いた。

「!? ぐっ!」

 急に体を揺さぶられ、うめく玲香。

『邪魔なミサイルは、僕が仕留めます! ご主人様、あの敵をやっつけてください!』

『ダイバリオン……。君は、ダイバリオンなのか!?』

『はい! といっても、僕はただのAIですけどね!』

 吞気な声で会話しているが、ミサイルの雨を肩部ビーム砲で打ち消している。

『助かるよ……。ミサイルはよろしくね!』

『はい!』

 やがて、誘導弾ミサイルによる攻撃が止まる。

 無傷のダイバリオンを駆る玲香は、余裕たっぷりと宣言した。

『無駄だよ、ネルソン! ボクを倒すんなら、正面から一騎打ちといこうじゃないか!』

 実体剣を仕舞い、光剣を取り出すダイバリオン。

『いいだろう! 一刀で決着させようではないか!』

 ラングストも前脚を構える。

『いくよ!』

『望むところだ……!』

 互いに全速力で疾駆し、すれ違う。

『はぁあああああああああああああああッ!』

『斬……!』


 果たして――

 ダイバリオンの光剣の柄はラングストの胴体に突き刺さり、ラングストの前脚は空振りした。


『これで終わりだよ、ネルソン……』

『流石です、ご主人様!』

 爆発するラングストを尻目に、ダイバリオンはシュヴァルツリッター・ツヴァイに通信を飛ばした。

『終わったよ、龍野』

『ああ、こっちも片付いたぜ。帰るか』

 そして2機がブースターを吹かし、一軒家に帰投しようとした時――


 多数のビームが、2機の眼前を通り抜けた。


『こいつは……!』

『知ってるの、龍野?』

『ああ……!』

 2機の道筋を遮った主。


 それは、「レヴァレアス」とその主、リーゼロッテ・ヴィルシュテッターであった。


     *


(嫌な予感がするな)

 整備を終えた“漆黒”を起動させた武蔵は、最大推力で飛行する。

(ん……?)

 遠くをビームが通り抜ける。

「まさか……!」

 武蔵には、このビームに心当たりがあった。

「どこだ……そこか! 待て、あのエンブレムは……!」

 ビームを発射した、「レヴァレアス」を探し当てた武蔵。


 その左肩には、紋章が刻まれていた。


「あの紋章は……リズの家の!」

 武蔵は何かを察し、レヴァレアスに急速接近した。



作者からの追伸


 有原です。


 少々荒い作りとなりましたが、これにて遠山玲香とネルソン・ガラナの因縁が決着しました。

 次は武蔵にフォーカスします。


 ただ、前もってお詫びを。


 レヴァレアスとの戦闘は、冒頭しか反映出来ません!


 では、今回はここまで!

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