vs 新型戦闘人形エリダーナ
「限界だな」
“エリア外警告・進路を変更せよ”の文字を見た龍野は、引き返して古城(“ファンタズマゴリア”のこと)から1km程度離れた場所に機体を降ろす。
「さて、調査開始と行きたいが……この辺に敵影は見えないな。ん?」
南東方向に
龍野が後をつけると、少し遠ざかって止まった。
(こいつは誘われてるな……)
罠かと警戒しつつも、敢えて龍野は誘いに乗った。
(動きが止まった……?)
すると、近くで爆発が起きた。
「!?」
『外しちまったか』
響いたのは男の声。
声のする方向を見ると、黒い三つ目の機体がいた。
(どことなくゴリラを連想するぜ……ともあれ、あれが敵か。他に反応は無い……ほぼ確定だろうな)
『名乗れよ、黒騎士さん』
再び男の声が響く。
龍野はひと呼吸すると、はつらつとした声で名乗りを上げた。
『俺の名前は須王龍野。駆る機体はシュヴァルツリッター・ツヴァイ。貴公が礼には礼を以って返す事を期待する』
『いいぜ。俺様の名前はゲルダー・ミレニス。所属は連合宇宙軍第3艦隊、階級は中尉だ。さて死合おうぜ、ゼクローザスのお仲間さんよ?』
『どこで知った?』
『ソリティアが教えてくれたよ』
『なら、話は終わりだ。その喧嘩、買おう(ソリティアとやら……後でヴァイスに、素性を確認するか)』
龍野の宣言と同時に、アナウンスが鳴り響いた。
「ただいま、J陣営の“須王龍野並びにシュヴァルツリッター”と、♣️陣営の“ゲルダー・ミレニス並びにエリダーナ”との決闘が成立いたしました。繰り返します。ただいま、J陣営の“須王龍野並びにシュヴァルツリッター”と、♣️陣営の“ゲルダー・ミレニス並びにエリダーナ”との決闘が成立いたしました。これよりカウントダウンを開始いたします。5, 4, 3...」
『ものわかりのいいヤツは好きだぜ』
『そうかい』
軽口を叩きながら、双剣を構える龍野。
「2, 1, 0! 決闘開始!」
『行くぜオラァ!』
決闘開始と同時に仕掛けるエリダーナ。
47mmサブマシンガンで牽制しつつ、155mm榴弾砲を放つ。
『よっと!』
しかし、障壁や回避機動でシュヴァルツリッター・ツヴァイにダメージは無い。
シュヴァルツリッター・ツヴァイもまた、両手の大剣からの
『なめんなよ!』
だがゲルダーは
結果として、二本とも
(やっぱ遠距離じゃダメか……!)
『龍野君、空中退避!』
ヴァイスからの指示に、咄嗟に魔力を噴射して飛翔する龍野。
龍野の進路には、毒の沼があった。
『やっぱ飛んだな!』
ゲルダーが叫ぶと、左肩から4発のミサイルが飛んで来た。
(ぐっ……!)
2発だけはレーザーで蒸発させるが、残りは障壁で受ける他無かった。
しかし依然として、飛翔を続けていた。
『どうなってやがる……? おい!』
ゲルダーは怒鳴りながら、グリップのボタンを押した。サブマシンガンを連射するエリダーナ。
だが、甲高い音と同時に弾かれてしまう。
『なあ、お前、その機体は……!』
『ああ。特別製なんだよ』
『そういう話じゃねえ……!』
会話をしながら、エリダーナにシュヴァルツリッター・ツヴァイが突っ込んでくる。
(くっ、銃器は邪魔だ……!)
素早くサブマシンガンと榴弾砲を捨て、レーザーソードを抜く。
だが、頭部をあっさりと、縦に切断された。
『ぐっ!』
(外したか。いや、防いだ……?)
龍野は二刀流で切り刻んだかと思っていたため、実際のダメージは予想以下だった。
(一筋縄では行かない腕だ……だが!)
『おりゃあ!』
ゲルダーが反応するが、一刀しかないのが運の尽きであった。
『はっ!』
龍野はレーザーソードを左腕の大剣で防ぐと、右腕の大剣でコックピットを貫通した。
ゲルダーが胸ポケットに仕舞っていた“ベル”も、粉砕されたのであった。
「決闘終了。勝者、“須王龍野並びにシュヴァルツリッター”。繰り返します。勝者、“須王龍野並びにシュヴァルツリッター”。これにより、J陣営に1のアグニカポイントが付与されました」
「終わったか……。短い出会いだったが、いい使い手だったよ、あんた」
龍野はエリダーナの残骸に背を向けると、南東向きに飛行した。
作者からの追伸
一通り敵の“ロボット”は破壊しましたね。
ただ、トリプルD内の化け物はまだですが。
次回は北東部の3エリアに行きます。
え、エルフ達のいる北西部はいいのか、って?
先に言わせていただきましょう。
「行ったところで、破壊以外の何が出来るというのか?」
もしくは破壊をお望みの方もいらっしゃるかもわかりませんが。
まあ、次は「カンパニー」の工場をぶち壊しにしますがね。
鋼鉄人形に必要な物資獲得のために。
では、今回はここまで!
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