翌朝

「ふあ~あ、よく寝たぜ」

 大きなあくびをしながら、朝日に包まれて龍野が起床する。

「さて、メシ作るか」

 眠い体を強引に動かし、キッチンへ向かう。


「おはよー」

 すると、既に料理が出来上がっていた。

 どれも軽いものではあったが、それでも十分な量だ。

「誰が作った?」

「わたくしよ、兄卑」

「シュシュ!?」

 龍野にとって、シュシュに料理が出来るとは思っていなかった。

「失礼ね!」

 当然、憤慨する。

「これでもお姉様から仕込まれたのだから!」

「おう、済まねえ……。ところで、武蔵は?」

「進藤少尉ならホテルでしょうね」

 龍野の疑問に答えたのは、ヴァイスである。

「それよりも龍野君。朝食が終わったら、格納庫までついて来て?」


     *


「「ごちそうさまでした!」」

 朝食を終えた龍野とヴァイスは、格納庫へ直行する。

「で、何を思って俺を呼びだしたんだ?」

「まずは一言。昨日の命令である“『ヴィラン』との戦闘禁止”は、もう撤回したわ」

「そうかい」

「それと、シュヴァルツリッターを改造したから、その報告にね。昨日の龍野君の戦いを見て、いくつか機能を追加したのよ。例えば防水機能」

「うっ」

 そう。

 龍野は湖に沈んだという結果を出している為、ヴァイスも対応させたのだ。

「その他諸々の武装。先に言っておくけれど、盾はオミットしたわよ?」

「ああ、助かるぜ。ダメージを相当食っていたからな」

「だから、大剣に変更したわ。それに、盾を解体して余った資材と私の魔力で、新たに作り上げた武装があるの。それが、これから見てもらう二種類よ」

 格納庫の照明を点けるヴァイス。

 そこには、シュヴァルツリッター本体、手に握りしめた巨大な剣二本、マント、そして――


 翼状のブースターの上から生えた二本の腕があった。


「この子の名前は、そうね……。シンプルにいくわ。『シュヴァルツリッター・ツヴァイ』よ!」

 こうして、龍野のシュヴァルツリッターは強化されたのであった。



作者からの追伸


 有原です。

 ロボットですから、改造による強化が無くては!

 という訳で、作り上げました「シュヴァルツリッター・ツヴァイ」。

 次の話で、詳細なスペックを説明いたします。


 では、今回はここまで!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る