(過激描写注意)その夜(ハーゲン視点)

「美味いな、相変わらず」

 テーブルでホットミルクを飲んでいたハーゲン。

 すると、龍野がやって来た。

「ん、龍野か? 早いな」

「ああ、早く体を休めないとな。ハーゲンも、リナリアに乗るなら体調管理には気を付けろよ?」

「当然だ。俺は軍人だからな、愛機に乗る時はいつでも真剣だ」

「俺が心配するまでも無かったな。お休み」

「お休み」

 自室へ向かう龍野。

「さて、俺も寝るか」

 ハーゲンは空になったコップを軽く洗って逆さに置くと、部屋へ向かった。



「あの、ネーゼ様?」

「あら、ハーゲン」

 貸与された部屋へ向かったハーゲンは、信じられないといった様子でネーゼを見た。


 ドレスをはだけたネーゼが、ダブルベッドに座っていたからだ。


「ここは、どなたの部屋だったのでしょうか……」

「わたくしとハーゲンに決まっているじゃない」

「え!?」

 予想外の答えに、思い切り声を上げるハーゲン。

「わたくしがヴァイスシルト殿下にお願いしたのよ? ありがたい事に、叶えてもらったわ。そういうことだから、霊力の補給の時間よ? 覚悟はよろしくて?」

「いや、しかし……!」

「ここでは恋人のはずよ、ハーゲン? そしてそんな堅苦しい事も、いつまで言っていられるのでしょうね?」

「何を仰って……ぐッ!?」

 ハーゲンが膝をつく。

(どうなっている!? くそっ、鎮まれこら……!)

 すると、ネーゼに体を持ち上げられた。

 本来では有り得ない話であったが、膨大な霊力を用いたからこそ出来る芸当である。

「えいっ。あら、ね?」

 ハーゲンの股間を注視するネーゼ。

「ネ、ネーゼ様……!」

「あら、苦しそうね。ねえハーゲン。わたくしは思うのよ。あるじが騎士を助けるのは、当然求められる行為ではなくて?」

 するりするりと、ハーゲンのズボンを降ろすネーゼ。

「きゃっ、出たわね!」

 ハーゲンが着ていた邪魔なものを取り払うと、ネーゼもドレスの紐を緩め始める。

「ふう、やっぱり二人きりではこうでなくちゃ」

 ネーゼも準備を整えると、豊かなものでハーゲンを挟み込んだ。

「……ッ!」

「あら、帝国最強の操縦士ドールマスターがこの程度で音を上げるのかしら?」

 じっくりとすり潰し、擦り、時には口をつけていたぶるネーゼ。

 ハーゲンは顔を紅潮させて耐えるが、ネーゼは急に止めた。

「まったくもう。帝国第一皇女の体を汚せるとは思わないでね? そうじゃなくて、こっちに欲しいのよ、わたくしは」

 ハーゲンを引き倒し、腕を広げるネーゼ。


「いらっしゃい、ハーゲン。今だけは、わたくしの恋人でいて」


 その言葉を聞いたハーゲンは、ネーゼを求め始めた。

「あんっ。そう、それでいいのよ。後は好きにしていいわ?」

 最早ハーゲンは一言すら発せなかったが、代わりに動きで示した。


     *


「………………!」

「あん♪」

 三時間が経過した。

 ずっとお互いを抱きしめっぱなしの二人は、体勢こそハーゲンが上であったが、主導権はネーゼが握りっぱなしであった。もっともネーゼも、時々はハーゲンに手のひらの上で躍らせたが。

「ねえハーゲン」

「……」

「あら、お疲れね」

 ならばと言わんばかりに、ネーゼはハーゲンにキスをする。

「しばらくはこうさせて? うふふ」

 そう。

 次期皇帝という立場である以上、大っぴらには出来なかったこの仲だが(発覚してしまった結果、仲を引き裂かれ、ハーゲンは左遷されるという後味の悪すぎる出来事が過去に起きている)、それでもネーゼはこの状況を楽しんでいた。


 もっともこれは、「ハーゲンと結ばれるか(代わりに皇位継承権を放棄するか)、一生独身か」という究極の二択を突きつけられた上なのであるが。


(それでも。それでもハーゲンとの子供なら、宿してもいいかもね……。生憎今日は、そういうコンディションではないのですけれど)

 ネーゼはひとしきり余韻を味わうと、ドレスを身に纏って風呂場へ向かった。


     *


 ネーゼが入浴しようとすると、風呂上がりのヴァイスとばったり出くわした。

「あら、ネーゼ殿下」

「ヴァイスシルト殿下。どうなさいましたの?」

「少し汗をかいたので、洗い流そうかと」

「奇遇ですわね、わたくしもですわ」

「うふふ」

「うふふ」

 一見上品に微笑んでいる二人だが、実態は同じである。


 汗をかく経緯が、それはそれはものであったのだ。


「ではごきげんよう、ネーゼ殿下」

「ヴァイスシルト殿下も、ごきげんよう。うふふ」

 互いに挨拶を交わすと、それぞれの目的地へ足を運んだ。


 体を洗い、湯船に浸かっているネーゼ。

(ヴァイスシルト殿下……。彼女もわたくしと同じ境遇にあるのでしょうか? それとも……そもそも、このような悩みなど、お持ちでないのでしょうか……?)

 ネーゼは似た身分のヴァイスと自分を重ね合わせながら、天井を眺めた。

(ああ、いっそのこと……うふふ)



作者からの追伸


 有原です。

 この二人も、派手にヤりましたね(そうさせるつもりでしたのですが、フフフ)。


 ネーゼにヴァイス作(メタ視点では有原作)の童話“くろきしとひめさま(黒騎士と姫様)”を読ませたら、さぞや黒騎士の存在を求めるでしょう。

 さて、ハーゲンはネーゼにとっての「黒騎士」となりえるのか?


 残念ながら、キャラクターを貸与されている身分の私では、これ以上は決められません。

 しかし、「もしもの世界」を妄想するのもまた一興。面白いでしょう、妄想って?


 ちなみにヴァイスは、「王位(皇位)も男も両取り出来る世界」におります。ネーゼ様に知られたら、リナリア改を持ち出す暴挙に出るかもわかりませんね。ねえ? フフフ。


 では、今回はここまで!

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