(過激描写注意)大回り

『とは言っても……。そうだリオネさん、どこから脱出した?』

『エリア“クリスタルレイク”から……』

『あいよ』

 リオネの答えを聞いた龍野は、すかさずヴァイスに念話で位置を確認する。

『ヴァイス、聞いていたな? どこにある?』

『そこから西方向に15kmね。マーカーを付けようかしら?』

『ああ、頼む』

 ヴァイスの手筈で、レーダーに再び巨大な矢印が表示される。

(となると……。インスパイアから逃げるためとはいえ、結局は大回りすることになんのか)

 龍野はストレートに解決しない事実に歯噛みしながら、矢印に沿って進行することを決断した。

『悪いが仕切らせてもらう。西に行くぞ』

『異存はありませんわ』

『同じく』

『ここは共闘といきましょう』

 ネーゼ、リオネ、ビアンカが返した。



 その頃、リナリアのコクピットでは。

「むぐぐ……やめてください、ネーゼ様」

「どうして? いいじゃないの、ハーゲン」

 ネーゼがハーゲンにのしかかり、誘惑していた。

 しかも118cmもある豊かな胸が、ハーゲンの鼻と口を塞いでおり、ハーゲンはあらゆる意味で限界だった。

「一度は無理やり離れ離れにされたのだから、せめて今くらいは、ね?」

「いや、しかし……」

「口答えする気? 何なら、この場でシてもいいのよ?」

「ひいいっ!」

 ハーゲンが怯えるのも無理は無い。

 ネーゼはハーゲンと一緒になる度に、「霊力の補給」などとこじつけてを行うのだ(もっともリナリアに二人乗りで出撃するのは、理由はどうあれ結果的には霊力が無尽蔵の状態で戦えるため、ハーゲンを助けているのは確かなのであるが)。

 しかも一回二回では抑えが利かない。十回くらい連続で、ようやく治まるのだ。そのたるや、龍野に匹敵するレベルである。

「今はあの黒騎士について行かなくては……」

「そ。ならハーゲン、脱ぎなさい」

「えぇえええええ!? いや、しかし、振動でお体を……」

 ネーゼが何を言わんとするか察する事が出来るあたり、ハーゲンも毒されている。

「まあいいわ。変わるから、寝なさい」

「それは……」

「私の上でね。ちなみに胸の上に頭を乗せて、よ?」

「ちょ!?」

 最早密室状態という状況を、最大限利用している。

 しかもネーゼはふざけている訳ではない。本気だ。


 結局、この押し問答は次の敵に遭遇するまで続いた。



作者からの追伸


 有原です。

 ハーゲンとネーゼの結末を知っているため、「だったら吹っ切れてやんよ……!」とばかりに性格を改変いたしました。


 もし皇族だとかそういう縛りが無ければ……まあ、子供たちで野球やサッカーが出来るくらいになるかもしれませんね(私の龍野とヴァイスも、ですが)。


 ただ、ハーゲンとネーゼの性格改変。

 これ、実は以前にもさせていただいております。

 まあ、詳細は、応援コメントに質問が来るまでは伏せますがね。

 では、今回はここまで!

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