(過激描写注意)ヴァイスの部屋にて

「そろそろね。うふ、来た来た」

 カツカツと聞こえる足音を聞き、笑みを浮かべるヴァイス。

「さて、変更する術式の調整はこのくらいにして」

 バン、と扉が開け放たれる。

「いらっしゃい、龍野君」

 歓迎の言葉に返事をせず、ヴァイスの肩を掴む。そしてベッドに押し倒した。

「おいヴァイスてめえ。何盛りやがった?」

「決まっているじゃない。勢力増強剤よ。とびきり効き目の強いものを、ね」

 質問に答えながら、ドレスの紐をするりするりとほどいていく。

「もうじき、抑えが利かなくなるわよ」

 上半身を起こし、左腕で胸を支えながら語り掛ける。

「さあ、ぼーっとしていないで? そんなものは、取ってしまいなさいな。最初の一手はこなしておくわ」

 ベルトを握り、鞭を振るう要領で素早く取り去る。

「後は自らの意思よ。けれど、敢えて耐える必要は無いわ龍野君」

 スカートと更に下のものを外し、ベッドに体全体を乗せて待ち構える。

「いらっしゃいな。いつもしていることでしょう、龍野君?」

 龍野が唾を飲み込み、邪魔なものを全て取り去る。

「そう、それでいいのよ」

 ヴァイスが下から龍野を抱きしめる。

 そして右手を掴むと、胸に押し付けた。

「遠慮はいらないわ。そういう間柄ではないでしょう?」

 主として、いや恋人としての『許し』を告げると、ディープキスを始めた。

「ん……」

 最早会話不可能な状態となった龍野だが、本能で目の前の異性ヴァイスを求めていた。

「ぷはっ。では、

 龍野がわずかに動く。

 そして。


 暗闇の二つの影は、今溶けあった。


「まったくもう……。いつまで経っても、こういうところは子供なんだから……きゃっ!」

 既に龍野には「遠慮会釈」というものが無かった。

 予想外の動きに、ヴァイスが驚愕する。

「んっ……! 待って、ちょ、激し――」

 ヴァイスの声は、聞き届けられなかった。


     *


「…………!」

「ッ!」

 三時間後。

 既にへとへとになっていたヴァイスにも、龍野は容赦しなかった。

「……まったく、もう……。少し調合比率を間違えたかしら?」

「俺を、被検体に、しやがって……。いつもいつも、ふざけんなよ……!」

「あんっ、龍野君こそ思い切り効果を有効活用しているというのにぃ(まあその度に、こっそり特別給与は振り込んでいるのですけれど。およそ3,822ユーロ(50万円)を、ね)」

「まだ落ち着かねえ……! 付き合え!」

「言われなくても……そうするわよ(いい加減、気絶しそうなのですけれどね……)」

 二人は更に、熱を増していた。


     *


「………………ッ!」

 更に一時間後。

 既に失神していたヴァイスに対し、龍野は依然として遠慮の無い振る舞いをしていた。

「はぁ、はぁ……。いい加減、落ち着いてきたぜ……」

 ひとしきり発散してくたびれた龍野は、ヴァイスと共通のいましめを解いてから抱きしめる。

「まったく……。最近しぶとくなったと思ったら、これだぜ……。まあ、俺が規格外な点は認めるけどな」

 実際その通りである。

 十回連続など、龍野にとっては日常だった。もっとも、今回は十三回だったが。

「先、おいとまさせてもらうぜ。じゃあな」

 ヴァイスの唇にキスをし、脱いだ服を雑に着て風呂場へ向かう。


     *


「ん……。もう行ったのね。ああ、また気を失っていたわ……」

 龍野が出てから30分後。

 ヴァイスも衣服を着用し、風呂場へ向かう。


「さて、もう一仕事しなくては」

 入浴を済ませたヴァイスは、格納庫へ向かう。

「まったく……。家庭用とはいえ、よくエレベーターを設置出来たわね……」

 到着したヴァイスは、『シュヴァルツリッター』のコクピットに搭乗する。

「この機体に対する反応を『味方』から『識別不能』に変更して……。更に“魔力量警告”も入れて、っと。さて、あとは魔術機関砲を取り付ければ終わりね」


 二時間後。

 仕事を終えたヴァイスは、エレベーターで自室まで向かい、床に就いたのであった。

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