帰還報告1

 城への到着早々、シュシュ、武蔵、フーダが二人を出迎えた。

「さて、帰ったぜシュシュ」

「留守を預かってくれてありがとう」

「お帰りなさいませお姉様、そして兄卑。兄卑、お姉様とはゆっくりかしら?」

ねえよ。まったくもう、お前は最近アレだな、発言に遠慮がねえな」

「兄卑のがうつったと思うのよ」

「元々だろ?」

「そこまで!」

 龍野とシュシュが周囲と時間を忘れる前に、ヴァイスが制止する。

「ひとまずは城の安全を確約してもらったわ。ただ、あの集団が所属する組織だけだけれど」

 “話を付けた”結果を簡潔に述べる。

 その言葉を聞いたシュシュが安堵した。

「まあ、理想とする結果ではあったぜ。だが、イヤなもんを見ちまった」

「何かしら?」

 シュシュが眉をひそめ、龍野に向き直る。

「10m級のロボットが、そこいらじゅうにうじゃうじゃいやがった。まだ仕掛けてくる気配は無さそうだったが、こりゃあ厄介だぜ」

「となると……ますます『ヴァイスリッター』達の修理を急がなくてはね。行くわよ、シュシュ、進藤少尉。龍野君、フーダちゃんのお守りをお願い」

「あいよ」

 ヴァイス達三人は、愛機の修繕に向かう。

「それじゃ……俺の肩に乗るか?」

「ん……うん」

「おう、しゃがんでるからまたがれよ」

 フーダが龍野に乗ると、龍野は屋上へと向かい始めた。

「今までよりもずっと高い目線だ、きっと見る風景も違うぜ?」

「うん……」

「おっと、しっかり俺の手を握ってろよ!」

「え……? うわっ!」

 龍野は魔力を少しずつ噴射し、『シュヴァルツリッター』の肩に乗る。

「よし、俺の後に入れ!」

 コクピットハッチを解放すると、龍野が先に入ってから手を伸ばす。

「しっかり握りしめてろよ……!」

「っ!」

 フーダをコクピットに入れると、龍野は念話を入れた。

『ヴァイス! ちょっと安全運転で、「シュヴァルツリッター」歩かせるぜ!』

『魔力切れを起こさない程度にね』

『わーってるよ、三十分したら戻るからな!』

 念話を終えると、龍野はフーダと二人でに出たのであった。

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