プロローグ

状況把握

 龍野達一行は、城の最上階に向かう運びとなった。

「メンテナンスもいいが、息抜きも兼ねて風景でも見るか」という龍野の提案により、全員が風景を見るために最上階の空中庭園に向かっていた。

「それにしても……」

 エレベーター内で、シュシュがフーダをじっと見続ける。

 フーダは目をそらし続けるが、シュシュは気にせず見続けた。

「おうこら、いい加減やめろや」

 龍野が割って入ると、シュシュは「はーい、兄卑」とすぐに目を反らした。

 同時に、エレベーターが最上階に到着した。


「ここは……どこかしら?」

 庭園で風景を見たヴァイスは、いの一番に疑問を口にした。

 見えている範囲――即ち周囲数km程度――に限定されるとはいえ、辺り一面は平原だった。

「それに……、少し変なのが見えるな」

「言われてみれば……。って、このヴァレンティア城のすぐ後ろの風景、壁ではありませんの!?」

「おい、二人とも。あの壁を見てみろ、長いぞ」


 武蔵が指したのは、周囲を取り囲む壁だった。


「どうなってやがる!? なあ、ヴァイス?」

 龍野が疑問を口にするが、ヴァイスはいつの間にかフーダの近くにいた。


     *


「『カンパニー』……。皆殺しよ……!」

 憎悪が溢れたフーダ。

 ヴァイスによって軽減されたとはいえ、今だ根強いものを持っていた。

「フーダちゃん。その話だけど、ここでは控えてほしいな」

 ヴァイスは胸元にフーダの頭を軽く押し付け、なだめつつ“お願い”した。



※ここからはメタ視点。


 現在龍野達は、公式で指定された範囲ギリギリの箇所に(城ごと)とどまっています。

 念の為書いておくと、城は指定エリアにすっぽり包み込まれる位置にあるので、敷地内のどこに行ってもエリアオーバーにはなりません。

 さて、どうなることやら。

 例によってヴァイスが何やら怪しい動きをしていますねえ?

 それも併せて、ご期待あれ!

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