出撃登録(特殊「ヒーロー」機)

登録――レヴァレアス

「何よ、この紙切れは?」

 モナリザから出された紙を見て、リーゼロッテは困惑していた。

「内容を把握するだけでいい。とにかく、預かっていてくれ」

「わかったわよ……。ん、この三つのスペース……オペレーターですって? いらないわ」

「ならば私の所有するAIにさせる」

「はいはい。ところで、どうやって入るの?」

「さあな、知らん。勝手に縮こまるんじゃあないか?」

「貴女ねえ……」

 モナリザの言葉にげんなりするリーゼロッテ。

 だが、ものは試しとばかりに、愛機レヴァレアスに命令した。

「あの空間に入る程度に、縮こまりなさい!」

 すると、みるみるうちに小さくなる。

「ちょっと!? コクピットが……!」

 全高10m弱となって、ようやく止まるレヴァレアス。

「く、苦しい……」

「だが、今なら入れるだろうな」

「信じるわよ、その言葉……!」

 装備が全て固定式だったため、余計な手間を必要とせずに入ったリーゼロッテとレヴァレアス。

「何も起きないじゃない」

「待っていてくれ。少しの辛抱だ」


 モナリザが言葉を終えると同時に、青い光がレヴァレアスを通り抜けた。


「終わりだ。これで貴女……リーゼロッテ・ヴィルシュテッターは、正式に私の代理となってくれた」

「目的は達成した? それじゃあ、契約書書かせるわよ」

「わかった。待っていろ」

 書類を作成しにかかるモナリザと、その背中を見るリーゼロッテ。


 これでリーゼロッテ・ヴィルシュテッターと愛機『レヴァレアス』、そしてその装備一式の登録が完了した。

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