第6話 少年 K
「お邪魔します!」
しばらくして、
「いらっしゃい、お姉ちゃん!」っと、
俺は、そんな彼女たちをよそに晩御飯の準備…っと、言ってもほとんど茉莉がやっていたので箸を用意したり、ご飯をよそったりするだけだった。
晩御飯は、茉莉が言ったように肉じゃがだった。
味は母が作るものよりも気持ち濃いめになっていた。
「ふう…ごちそうさま。」
「ごちそうさまでした。」
「ごちそうさま、それじゃあお兄ちゃんあとよろしく!」
そういうと茉莉は、食器を台所のシンクに置くとすぐさま二階に向かって行った。
「相変わらずね。」
「…いつも通りだろ?」
「それじゃあ、
「はあ…別に気にしなくていいぞ…って毎日言ってるだろ。」
「ははっ…なんていうか口癖になってきたかも。それと、ため息をつくと幸せが逃げるぞ!」
「…わかってるって、それじゃあ後片付けをしておくから、お前はゆっくりしてろ。」
「はいよ~、Wi-Fi《ワイファイ》使わせていただきます。」
「
「最近は、両方やらなきゃいけない時もあるからね。」
「…それも、そうだな。」
果歩は、ソファーに腰掛けるとテレビをつけた。
そして、チャンネルを変えニュースを見出した。
「「川崎市在住の職業学生の16歳の少年、
「…相変わらず、物騒ね。」
「そうだな…。」
「「現在、殺されたとみられる母親の頭部は発見され、屋に置かれている物も無事発見することが出来ました。また、インターネットサイトに書き込まれていたことから犯行の計画性も疑えます。」」
「「
「「今回の事件の背景には、母子家庭の実情というところでしょうか?」」
「「それは…どういうもので?」」
「「ええ、今回の事件は両親の離婚とその後の母親の動向が原因とされます、すでにサイトは消されてしまいましたが、SNS《ソーシャルメディア》では、スレッドが保存されておりどうやら彼の母親はほかの男との性的な関係があったそうです。…しかし、この情報の発信者が彼であるのか真偽は不明ですが、やはり、何かあったのでしょう。実際に、映像でも分かるように彼の体にはあざのような物が見られます。おそらく、幼少期から現在に至るまで暴行があったのではと私は、考えます。」」
「「…ありがとうございました。」」
「「現在少年は、川崎警察署で取り調べ中とのことで、中継が繋がっています…。」」
アメリカ軍による憲法、法律改革により少年法は廃止され、その代わりにたとえ相手が未成年であっても実名を公開するという事になった。
また、これはアメリカ軍以前から意見があったらしい…その背景には日本の銃社会化ということも挙げられた。
アメリカが求めた市場開放により銃が蔓延するとし、これにより若年層での犯罪増加が懸念された。
結局のところ、民間で所持できるのは単発式…ボルトアクション式のライフル銃のみ保有が許可された…。
しかし、未成人の実名を公開することに異を唱える人達もいたが、アメリカ軍による制定後この法案を消すことはなかった。
今では、公開された実名をリスト化したサイトも出回っている。
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