処女を散らされたときに、言われた言葉が頭を離れない

煙草の匂いを漂わせた若い男が三人集まって、何回も、じゃんけんをしていた。


私は六畳間に縛られて転がされていた。

口を塞ぐ、ガムテープが痒くて、これから何をされるのか、嫌な予感しかしなくて、ぼろぼろぼろぼろ、涙を流していた。


畳の匂いと、煙草の匂いと、むっとするような男性の汗の匂いみたいなものが入り混じっていた。


「やりぃ、勝ち!」


そんな声が聞こえて、私は身を震わせた。


嫌だ。いやだ、何をするの。何をされるの。


たまたま、その日はスカートを履いていた。男の膝が私の細い膝を割り開いて、あっという間に、小さな花柄がちりばめられたショーツを抜き取った。


「やべぇ、つるつるじゃん」


私は、まだ保育園児だった。怖い。やだ。何をされるの。何をする気なの。助けて。何でもするから、怖いことしないで。


でも、ガムテープでふさがれた口からは「むー! むー!」としか、言葉が出ない。


顔のない男がにやりと笑った。


「んじゃあ、いただきますか。


 真世ちゃんのパパ、ママ、未来の彼氏さん、旦那さん、ごめんね、ごめんね~♪」


歌うように、ふざけるように男は笑いながら、そう言った。お笑い芸人のように。


そうして、私の、目の前が真っ赤になった。


余りの痛みに、多分、私は気絶したのだと思う。


……私は。


私はプールが嫌いだ。


プールは塩素の匂いがする。


男の人の精液は、なぜかきつい塩素の匂いがするのだ。


それを小学校に上がる前から知っていた。


何回も、何回も、何回も、私の頭の中をノックする。


「真世ちゃんのパパ、ママ、未来の彼氏さん、旦那さん、ごめんね、ごめんね~♪」


……頭が、痛い。

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