我慢できず、好きな人(ひと)に会いに行ってしまった(上)

1回目のワクチン接種が住んで抗体が高いうちに、と。


60分 の 指圧コースで。


指名料を おまけしてもらった。


お久しぶりです。付き合っていたザビエルさんとはお別れに?


彼は、私のことを覚えていてくれた。


私のことなんかを、覚えていてくれた……!


涙が出たけれど、清潔な茶色のふかふかのタオルがそれを吸い取る。


「……どうしたんですか?」


「いえ、なんでもないです。あの 翔太さん(仮名)は、ご結婚されたりだとかは……」


「それが まだ、独身で……」


「えっ」


「そんなに、驚くところですか? ははっ」


「だって、私より三つ年上でしたよね?」


「いえ、ぼ……私は今年で37歳なので 福倉さんより 三つ年下ですね」


「え!? そうでしたっけ?」


「ははは、忘れちゃったんですか。そうですよ」


そ、そうかあ……と、年下かあ……


どどどどどどどど、どうしよう。


「福倉さん、天然ですか?」

「あー……それは良く言われますね」


(続く)

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