トンネル
私は眠気が吹き飛ぶほどの急激な寒さを感じ、目が覚めた。真っ暗で何も見えなかったが、すぐに目が慣れて煤けた灰色の天井を視界に捉えた。明らかに自分の部屋の天井ではなかった。私の部屋は真っ白な天井だった。
私は体を起こし、辺りを見回した。どうやらトンネルのようだった。どうりで暗いわけだ。
昨夜は飲み歩いて酔っ払っていたとはいえ、確かにベッドで寝たはずだが、なぜトンネルにいるのだろうか? 思考を巡らせたが、さっぱり分からなかった。
私はトンネルから抜け出すために、出口を目指して歩き出した。自分の足音がやけに大きく聞こえる。代わり映えのしないトンネルの中をひたすら歩き続けた。
しかし、いくら歩いても、一向に出口は見えてこなかった。トンネルは真っ暗なままだ。これだけ歩けば、光が見えても良さそうなものなのに。
何だか歩き疲れて私は立ち止まった。その時、かすかに何かが聞こえた気がした。いったい何だろう? そう思いながら、耳を澄ませると、甲高い声が聞こえ、背筋がゾッとした。
恐る恐る後ろを振り返ると、首が千切れかけた少女が立っていた。首の皮一枚で繋がっているだけのように見えた。
「ひぃっ!」
私は悲鳴を上げ、逃げようとしたが、恐怖で足が震えて動けなかった。
少女は不気味な笑顔を浮かべて襲いかかってきた。このトンネルはいったい何なのか? 少女は何者なのか?
何も分からないまま、私の意識は途絶えた。
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