ポケットティッシュ
「ハックション!」
私は盛大にくしゃみをし、ズズ、と鼻水を啜る。風邪でも引いたのだろうか?
私は鼻水が垂れないようにしながら、タンスの一番下の引き出しを漁った。すぐに探し物が見つかった。昨日の夕方に駅前で貰ったポケットティッシュだった。このポケットティッシュは顔の半分が前髪で隠れた不気味な雰囲気の女性が無言で配っていてちょっと気味悪かったが、タダで貰えるのならばと受け取っていた。
ティッシュを一枚抜き取ろうとした時、取り出し口からヌルリ、と手が伸びて私の腕を掴んだ。
何が起きたのか分からなくて私は固まった。その間も取り出し口からは肩や頭が出てきた。頭が完全に外に出切った時、私は目を見開いた。ポケットティッシュを配っていた女性とそっくりだった。
私の頭の中は疑問符だらけだった。風もないのに、女性の前髪がふわりと舞い上がり、顔が見えた。女性には両目がなかった。暗闇を思わせる眼窩があるだけだった。
「ひぃっ!」
私は思わず悲鳴をあげた。それが合図となったかのように、私はポケットティッシュの中に引きずり込まれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます