アンティーク家具
私は古びた木製の椅子をじっと見つめていた。この椅子は昨日の夕方頃に出かけたアンティークショップで購入したアンティーク家具だった。
昔からアンティーク家具が好きでよく購入していたが、この椅子ほど魅力的で心から惹かれたのは初めてだった。人の顔のようなものがいくつも重なっており、どことなく不気味な雰囲気を醸し出している。木目が人の顔っぽく見えることはたまにあるが、この椅子の場合は人の顔にしか見えない。よくもまあ、こんな木目の木があったものだ。それともこういうデザインなのだろうか。
そんなことを考えながら、私は木製の椅子に座った。その時、何かに引っ張られるかのような感覚がした。何事かと思い、私は振り返ろうとして絶句した。体が
頭の中が真っ白になっている間も、どんどん体が椅子に沈んでいく。もうすでに体の半分が椅子の中に消えていた。いったい何が起こっているのかが理解できなかった。
引っ張る力が強くて抵抗することもできないまま、首から下が完全に椅子に吸い込まれてしまった。頭だけではもうどうすることもできなかった。
やがて頭も吸い込まれ、新たに人の顔が椅子に刻み込まれた。
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