声優さえできればいい

第13話 カノンのお金の事情

「秋葉原に来たぞー！！」

私は、その後みんなと合流して電車で秋葉原まで来ていた。

「それにしても平日なのに人が多いねー」

「当たり前だろ！ここは聖地アキバなのだからな！！」

「暑苦しいですわ…」

「そうだね…」

「じゃあ早速行こう！」

「皆さん、その前にどこに行くか決めないと」

私は指摘する。

「そうだったね。ねぇ、最初どこ行く？」

「私は別に…」

「俺も…」

「「ねぇ？」」

みんな一斉に私を見てくる。

「えっ、私が決めていいの？」

みんな一斉に頷く。

「じゃあとりあえず…私、アニメートに行きたい…かな？私、自分の出てる作品とか本とか忙しすぎて買ったことがないから。そういうと見てみたい」

そう、私は赤宮 カノンとして活動し始めてから、一度も仕事以外でプライベートに来たことがなかった。

だから本心で前からそう思っていた。

この遠足でチャンスがあるならば行きたいと思っていた。

「みんな嫌だったかしら？買いたいものとかあれば私が払うわよ？」

「いや、別に嫌なわけでもないけど…」

「そんなのでいいのか？カノンさん」

賢太郎に聞かれる。

「え？ええ。そういうとこに忙しすぎて行けてなかったから。今日は久し振りのオフだから行けたらと思っていて」

「その貴重なオフを私たちのために！？」

「荷が重すぎますわ！！」

「そう…なの？でも心配しないで？毎日ずっと仕事があるわけではないし、充実はしているわ。お金も何故か破格のオファーばかりだし。○百万とかもあったし」

「あっさりすごい話された気がする！？」

「まっ、まぁ、とりあえずアニメートに行こうぜっ、なっ！」

「そ、そうですわ。さっきからカノンさん、周りからすごく見られていますし」

「そ、そうだね！じゃあ、レッラゴー！」

こうして私たちの秋葉原の遠足の最初は、順調に？ことが進んでいった。