第12話 次はコーヒーを飲みにきますね?

そしてサインなどを全員にしてあげて…


「これで全員終わったわね。すでに私の説明はしたわけだし、じゃあ、早速秋葉原に遊びに行きましょう」


「その格好で大丈夫なんですから?」


「さっきつけてた変装をするから大丈夫よ。ーーーーーほらね?」


「あはは…」


「オーラ全開ですわ…」


新堂さん、貴方も結構金持ちオーラが出ているんだけどね…


「じゃあ、俺たちがカノンさんを守ってあげなきゃな!」


「立花じゃ、頼りにならないと思うよ?」


「まだしもきりんちゃんならいいんだけどねー」


「そうですわね。結構頼り甲斐がありそうです」


「「ね〜」」


「そうですか、俺じゃ頼りにならないですか。知ってますよこれが人気があるか無いかの格差なんだって…」


「あはは…」


その賢太郎の言葉に私は苦笑い。


それとは別に、私をこの女子三人が信頼してくれているのは嬉しい。

ちゃんって言うのはやめてほしいけど。

あ、今はカノンだから良いけど。


「じゃあみんな、カフェの外で待っていてくれる?お会計してくるから」


「わかりました!」


そう言ってみんな私のことに従ってくれた。


「ていうことで、おじさん。いくら必要かしら?」


「いや、お題は要らない。何も頼んでないしな」


「でも…」


「そんなに言うなら私にもこの店に飾るサインをくれないか?」


「そんなんで良いの?」


「ああ、構わない」


「分かったわ」


そして私はおじさんのためにサインを書いた。


「じゃあ、おじさん。ありがとうございました」


私は扉を開けてカフェから出ようとした。

と、その前に。


「おじさん」


「なんだ?」


「赤宮 カノンのお気に入りのカフェって紹介していいですよ?」


「そんなのは別にいらん」


「そうですか…でも貴方ならそう言うと思いました。ですから」


そして私はもう一度おじさんの方に振り返って言った。


「次はコーヒーを飲みに来ますね?」


「好きにしな」


その時の赤宮 カノンは、とてもいい笑顔で笑っていた。




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