第14話 アニメート
「カノンさん、ここがアニメートですよ!」
それは知っているけど!
「うわぁ…」
が、久しぶりのアニメートに感激してしまう私であった。
アニメートの一階には、色々な最近発売されたものが並べられている。
私のもので最近のでいうと…?
たくさんあるから色々あると思うんだけど。
「見てみて!カノンさん!カノンさんが載ってる!」
大きな声で私の名を呼ぶ結花奈。
その声を聞いた周りの人たちが、カノンがいるのかと周りをきょろきょろし始める。
これは少しピンチかも。
「結花奈ちゃん、しーだよ?」
雪菜さんが周りのことにいち早く気づいて結花奈に注意する。
「あっ、そうだった…ごめんっ!ただ少し似てたから。あははっ」
その声を聞いた人たちは、それを聞いて周りをきょろきょろするのをやめた。
「はぁ…なんとか助かった…」
私もこれでたぶん大丈夫かな?
さて、戻ろう。
さっき結花奈が言っていた私が写っているそれは、私が今年の一月にドームコンサートをやった時の写真だ。
まあ、CDの表紙なんだけどね。
このCDの題名はエール。
中身は察しの通りドームコンサートの歌が収録している。
三月に発売されたこのCDエール。
最初の週には週間のオリコンランキングで一位を獲得した。
そしてそのまま月間のオリコンランキングも一位を獲得した。
その勢いは四月の下旬となった今でも衰えてはいない。
今週もオリコンランキングで一位は確実とか。
ま、このCDは要らないかな。
私関連のやつ全部貰えるし。
姉も買ってきてくれるしね。
そんな風に私が見ている間、みんなも自分が買いたい、興味があるものを手にとって眺めたりしていた。
賢太郎とかは結構買ってたような気がする。
今日のお礼をしないとね。
「すみません、ちょっとお話しいいですか?」
私はお店の店員さんに話しかけた。
そしてみんながそれぞれに買い物をした後。
「みんなー、アニメートでの用は済ましたか?」
「勿論ですわ」
新堂さんは得意げに、他のみんなは元気よく答える。
「カノンさんは?」
結花奈が私に聞いてくる。
「私?」
「用は済ませたかなって…」
結花奈は少し控えめに聞いてきた。
「勿論よ。楽しむことができたわ。ありがとう」
私は笑顔で返した。
「ならよかったです!」
そのときの結花奈の表情は、生まれて初めて見た表情、笑顔をしていた。
「ならさ!俺も行きたいとかあるんだよ!カフェなんだけどさ、俺が好きなキャラクターとコラボしてるんだよ!」
「どうさくだらないと言いたいことところだけど…そろそろお昼も近いしそこでいいわよ」
「雫、麗奈、カノンさん。そこで大丈夫ですか?」
雪菜さんも新堂さんも頷き、私も頷いた。
「よしっ!じゃあ行こうぜ!」
私たちは賢太郎に続き歩き始めた。
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