僕を知らない
凛
第1話
好きな人に抱かれるというのはどんな気持ちなのだろうか?
と、おそらく誰の好きな人にもなれなかった僕は、たとえ誰かの好きな人になれていたとしても分かるはずのない「産毛な女性よ気持ち」を考える。
そういった事が分かったからとて、なんとゆう事はないのだけれど、単純に女性の気持ちを知りたいと思っている。
自分のしてきた恋愛や恋愛観を語る時、多くの人は所属するコミュニティーの中で語り合うだろう。同級生やバイト先、もしくは社内の友人達と。僕の同級生や会社の人達は知っているのだろうか?僕が人を好きになればその人の情報を必死で掻き集め、出来るだけ連絡をして、毎日会いたいとゆう感情が芽生えることを。頭の中がその人で一杯になり、仕事や勉強が手につかなくなることを。
おそらく、周囲から見た僕はものすごく淡白だ。寂れた病院の食事以上に。
もともと女性に優しくするとゆうような概念が全くなく、興味のない人への相槌はいかにも適当で、女性に限らず他人に全く興味無しと顔にお札が貼ってあるのがうっすらと見えるのではないかと思うほどに冷淡だ。と自覚して演じている。演じている。のだろうか?
うん、演じている。そのため誰も僕のプライベートを知らない。そして皆は僕がまだ知らないと思っている。好きな人ができた時の喜びを、裸で体を重ね合わせた時の温もりを、好きな人に振られた時の悲しさを。
しかし、本当の僕はその全てを知っている。恋に深入りしすぎた時の絶望も、ひとには、追いかけたい人と合わせたい人がいるとゆうことも、叶わぬ恋があるとゆうことも。多くを知った上で僕は、知らないふりをしている。そして、興味が無いふりをしながら、本当はもっともっと知りたいと思っている。ものすごく前のめりに、情熱的に、研究者のごとく、恋愛に恋愛していることに僕は気づいているのだろうか?
僕を知らない 凛 @hirouchi
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