新世界樹の迷宮Ⅱ~自由と束縛と~
ついにこの時が来た! 我が懐かしのハイ・ラガード! 私は帰ってきた!
初代世界樹に続いて、私の初世界樹であるⅡがリメイクされた。
新Ⅰと同じく、Ⅳをベースにしたシステムに、練り直された戦闘バランス、そして職業たち。前作で不満点だった追加ダンジョンにクラシックでも探索可能と、新世界樹シリーズとしても進化を遂げた今作。果たしてその全貌は…………!
ギルド名:ドルジーナ
パーティーメンバー:
―前衛―
・ファフニール
・プリンセス
・パラディン
―後衛―
・レンジャー
・ドクトルマグス
ギルド名はロシア語で「近衛兵」。ほねわしポケ〇ンではない。
編成はもちろんストーリーメンバー。今回の目玉は、主人公のファフニール。ファフニールという存在は、どっちといえば敵のイメージが強いですが、今作は純粋にヒーローしています。
そして、パーティーの編成も、主人公のファフニールを最大限に生かすために組まれているのが分かりますね。
ファフニールは、普段は小回りはいいが、前衛にしては比較的柔らかくそこまで強くないのですが、フォースブーストを使用することで急激に強くなり、驚異のせん滅力を発揮します。それこそ「こいつ一人でいいんじゃないか」と思うほど。しかし、やはり乱発ができないので、普段は周囲にサポートしてもらいながら戦うことになります……。
イメージとしては、たまにウル〇ラマンに変身できる平凡な仮面ラ〇ダーみたいなかんじ。
それ以外に見るべき点として、純粋な属性火力職業がいませんね。属性攻撃は主にファフニールとプリンセスで頑張る必要があります。
今作のアルケミストは(若干裏技みたいな使い方をすれば)全作品中最強の属性使いになれるだけあって、ちょっともったいない。というか、かなりの前衛過多の編成でもあり、これが原因で相対的にファフニールがより柔らかく感じるかもしれません。(ファフニールの耐久はドクトルマグスと同等くらい)
なお、今作の職業はほぼすべてがアッパー調整されていて、急激に強くなっています。しいて言うなら、旧Ⅱで強すぎたブシドーがやや使いづらくなっているのと、メディックがいつも通りかなといった程度でしょうか。ただしメディックも弱いわけではなく、ドクトルマグスも強いのはいいが、かなり癖が強く初心者には向かないという欠点があります。
・新Ⅱをプレイして感じたこと
今作もストーリーモードで賛否両論はありましたが、新世界樹シリーズの正統進化という面が強く、個人的にはとても楽しめました。
グリモアシステムもさらに拡大され、最大所持量の増加や、一度に複数生産可能になったりと、よりスムーズにグリモアと向き合えたと思います。
ストーリーモードは、その使用の関係上サブクラスや二つ名などが扱いにくいので、その代替という点でグリモアシステムは十分な役割を果たしていました。今作では、自身が覚えているスキルのグリモアをさらに重ねることで、スキルレベルの加算をしたり、限界突破することも可能でした。
これもまた一部批判点があるとはいえ、差別化と多様性の点での貢献は大きいと思います。
今作の長所であり欠点でもあるのが、シリーズ最高と言っても過言ではない、
難易度エキスパートの難しさでしょうか。
雑魚戦はそれほどでもないのですが、とにかくFOEやボスが凄まじく強いです。
特にボスが「どうしてこうなった」と叫びたくなること請け合いの強さです。まあもっとも、Ⅱのボスは旧の頃から全体的に強い印象が大きいですが。
まず、敵のHPが凄まじく、ボスに至っては第1層の時点で旧Ⅱの5層のボスよりHPが高いです。
ボスのHPが高めなのは、Ⅳのあたりから傾向はありましたが、今作ではそれに加えて敵の火力もすさまじく、後半になればなるほど敵を早く倒さないと不利になったりします。
なぜこのようになっているかと言えば、難易度補正の関係上、火力がインフレしやすい仕様だからですね。一番簡単なピクニックだと、味方に凄まじい攻撃力補正が加わり、敵の防御も落ちるので、シャレにならないくらいあっという間にゲームが終わります。誰でもお手軽に俺TUEEEできるので、歯ごたえはありませんが、ストレス解消に最適です。
しかしながらエキスパートは全く逆で、こちらの攻撃がノーマルに比べて半分程度しか与えられません。
ピクニックと比べると、与ダメージ、被ダメージ差は10倍にもなるとされています。
とにかく敵味方双方、火力がやたらインフレしていくので、火力戦の応酬となり、その結果今まで持久戦重視のパーティーを編成していたプレイヤーたちにとっては、地獄以外の何物でもなかったでしょう。
パーティー編成の自由度もある程度限られてしまい、エキスパートボス戦はパラディン必須となり、一部の敵はドクトルマグスがいないと攻略が苦しいなど、世界樹としてそれはどうなのよという場面がちらほらと見受けられる…………
と、言ってはいますが、ぶっちゃけ編成の自由度に関しては、旧Ⅰの時点ですでに後半になるとある程度縛られてたとは思います。
逆に言えば、この難易度をナンバリングで採用したらやばかったでしょうけれど、リメイク版だからこそ、実験的に極限の難易度を追及できたともいえるかもしれません。
ストーリーは、前作と違い無理のない範囲で挿入され、熱い展開が多くいい出来です。
ただ、後半急に内容が薄くなるせいで、フランス料理のフルコースを食べていたのに、メインディッシュで終わりのような、何ともやるせない感じがします。
一方で、個人的に大変面白かったのが、探索準備。
これについて語ると長いので、次の項目で語りたいと思います。
・……本当に食べてしまったのか?
世界樹シリーズのⅣ、新Ⅰ、新Ⅱには「探索準備」というシステムが存在します。
これは、迷宮に挑む前になにかしらの強化を付与するというもので、大体は何か消費する代わりに、予め有利な状態で探索に突入できる。
探索準備が登場したⅣでは、気球で大地を探索する際に食材を入手し、食べることができるのです。食材は地面に生えている野菜、野生動物の肉、川や池の魚などがあり、食べることで能力上昇や属性攻撃、状態異常への耐性などの効果が得られます。
ただ、中には毒を持っている食材があり、適切な調理を施さないと……………
Ⅳでは町から直接迷宮に行くこともできますが、一手間かけて探索準備をすることも考えた方がいいですね。
新Ⅰの探索準備は、ギルドハウスと呼ばれるパーティー共用の家で、NPCから探索効果のあるお茶やアドバイスをもらうことができました。
効果は単純なものが多かったですが、消費アイテムなどはなかったので、気軽に利用することができます。
そして! 今作では、探索準備が凄い!
新Ⅱの探索準備は、国家直営レストランで料理を開発し、開発した料理を食べることでさまざまな効果を得ることができるようになります。
その素材の入手先はなんと迷宮内! 素材は採取、伐採、採掘地点で得られるほか、モンスターの肉や体の一部、場合によっては本体丸ごと料理の素材になってしまいます。
物語の設定では、今作の舞台ハイ・ラガードは北方にあるため普通の食材の調達が難しく、樹海の素材で料理しようという発想が生まれたとの事。樹海料理を発明した古の人のレシピを探し、レシピ内容を再現することで、料理を開発することができるのです。
探索準備、というか樹海料理の種類は無駄に豊富で、しかも序盤から有用なものが結構多い。中にはピンポイントでしか使わない効果や、一見使いどころが分からないものもありますが、デメリットがあるものはほとんどないのがミソ。
更には、レストラン経営という側面もありまして、探索準備で消費しなかった在庫は、料理して町の人たちに売ることもできます。そして売り上げはプレイヤーのものに!
Ⅲでも少し触れた迷宮外要素「大航海」でも、航海中に得た海産物や特産品を売って、冒険資金の足しにできましたが、今回の探索準備にはその要素も含まれているんですね。
で、ここからが本題。
樹海、冒険、料理とくれば…………今流行りの「ダンジョングルメ」!
鹿肉ステーキをはじめ、ジビエカレー、野牛拉麺、石化鳥炒飯、恐竜のステーキなどなど、見ているだけで垂涎間違いなしの豪華なラインナップです。
ストーリーではさらに、料理開発するとそのたびにかなり面白い寸劇を繰り広げるので、とても楽しい。
しか~し! 優等生料理ばかりで終わる世界樹シリーズではない……!
最序盤からいきなり巨大エスカルゴの丸焼きじゃー!
冒険者を苦しめる毒アゲハも容赦なく丸ごとから揚げじゃー!
細かく切っても冷やせば元に戻るゼラチンモンスターも食っちまうぞ!
脚が生えた魚? 兜焼きにすれば食えるだルルォ!
巨大蜘蛛の姿焼き、おいしいです(棒)
体長3メートル以上の超巨大芋虫一匹丸ごとドーン!!!!
なんつーかもう、笑うしかないゲテモノ料理の数々は必見です。
中には本当に「なんでこれを食材にしようと思ったし」と言いたくなるような際物もあり。しかも、こういうのに限って効果がなかなか優秀なのが多いのが、なんとも………………
これらが原因で、世界樹ボウケンシャー達からは、ハイラガ民はモンスターを見るとどう調理しようかを考えると、思われているとかなんとか(笑)
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