新世界樹の迷宮 ~最大の敵はネタバレ~

 初代世界樹の迷宮がリメイクされる!

 それを聞いた時、私は期待半分不安半分でした。

 昨今の洗練されたシステムで、初代をもう一度遊ぶことができる喜びは大きい。けれども、初代世界樹にはあまりにも途方もない大きさのネタバレ禁止事項が存在しました…………

 果たして、新規のプレイヤーとどう折り合いをつけていきましょうか……


パーティーメンバー:

―前衛―

・ハイランダー

・パラディン

―後衛―

・アルケミスト

・メディック

・ガンナー


 ストーリーはギルド名が固定だったはず(うろ覚え)

 構成員はストーリーメンバー。新世界樹シリーズは通常のキャンペーンとは別に、固定メンバーで進む「ストーリーモード」というのがありまして、通常は使えない「ハイランダー」と「ガンナー」が使えるようになっています。

 ストーリーパーティーだけあって、どんな状況にも対応できるのが強みで、特にガンナーのリッk――――ゲフンゲフン、フレドリカちゃんが強くて器用で便利。

 ただし、このパーティーの最大の欠点として、物理攻撃属性がほぼ突属性に偏っていることが挙げられますね。これはどの作品にも類を見ない珍しい欠点です。普通は大体物理は斬属性に偏るのですが……

 突属性自体は耐性持ちが少なく、逆に弱点持ちもそこそこいる割と優秀な属性なのですが、耐性持ちが出てくると途端に苦戦します。特に、節約のためにアルケミストの術式をあまり使いたくない序盤で顕著です。

 あと、主人公のハイランダーは強いのですが、攻撃スキルがコンボを狙わないと機能しなかったり、HPを消費したりするので、意外と初心者の使用に向かないのではないかという疑惑があります。



・新Ⅰをプレイして感じたこと

 この作品は個人的に、非常に評価に困る作品です。

 ゲームシステムの出来は文句なしです! あれだけ不便だった無印のシステムが、Ⅳをベースに大幅に改良され、サブクラスの代わりに「グリモア」という敵味方のスキルが使えるようになりました。グリモアについては賛否両論ありますが、

私はこれぞ新シリーズの醍醐味だと感じています。

 やや大味だった戦闘バランスも一新され、難易度エキスパートではまさに一筋縄ではいかない戦いが繰り広げられます。

 もちろん簡単な難易度に加え、さらに難易度の低い「ピクニック」も登場したので、ストーリーだけ楽しみたいという方々にも、安心してお楽しみいただけます。


 ……………が、そのストーリーモードでは、世界樹の迷宮の世界観の一片が序盤から現れるので、核心部分は隠されているといえど、実際の感動は少なからず減ることでしょう。

 まあ、今やそんなことを気にする人は滅多にいないでしょうけれど、私もまた世界樹の原理主義者に近い派閥の人間なので、できればキャンペーンからやってほしいのが実情です。

 システム的に初心者にもお勧めできる作品だけあって、もうちょいストーリーが何とかならなかったのかと、思わずにはいられませんでした。


 ただし、逆に言えば私のような無印からのプレイヤーなら、クラッシックが不遇であるという点を除けば、とても楽しめると思います。しかしながら、ストーリーなんていらないという歴代のプレイヤーにとっては、若干物足りないかもしれません。

 本当にいろいろな意味で惜しい作品だと思います。




・バランスのいいパーティーを組むんだ。適当なパーティーだと、後で(略)

 世界樹の迷宮シリーズは、よく「樹海に行くまでとても時間がかかるゲーム」だと揶揄されますが、それはギルド名からキャラクターまで、すべて自分の手によって作り上げる必要があるからです。

 まず、ギルド名を何にするか迷い、次に主力となるパーティー編成に悩み、

そしてキャラクターの設定に大いに悩みます(笑)

 私なんかは、結構ノリでホイホイ決める人間ですが、それでも平気で2,3時間かかったりします。

 特に悩むのがパーティーの編成で、毎回書いてある通りパーティーのコンセプトと、それを実現できるメンバーの選定は、発売前から綿密に練っております。ところが、それを覆すのが新世界樹シリーズの「ストーリーモード」の存在です。

 自由にパーティーを編成して探索するのが売りの世界樹の迷宮シリーズで、あえて固定メンバーで進ませるというのは、なかなかチャレンジングなことだと思います。当然賛否両論は大きかったですが、私自身はとても楽しめました。脳内補完もいいですが、どうしても限界がありますからね。


 よく、新世界樹シリーズは「ストーリーメンバーのために戦闘バランスを調整してある」と言われますが、それはある意味で正しいですし、ある意味で違うかなと。

 そもそもストーリーメンバーが作品の戦闘バランスに合わないなど言語道断です。なので、必然的にほぼ最適解のようなパーティーが組まれることになります。

 ただ、ここで言う「最適解」とはそのメンバーじゃないと苦戦するのではなく、あくまでそのメンバーだと「楽だ」というのが大きいのではないかと思います。卵が先か鶏が先か、ではありませんが、やはりどんなゲームでも「これが鉄板」というのがあるんです。


 RPGのパーティー編成は「攻撃」「防御」「回復」「支援」の仕事をどう振り分けるかが肝だと考えます。これらの要素、実は比重にすると平等ではなかったりします。

 この中で最も重要なのが「攻撃」でしょう。攻撃手段がなければそもそもゲームになりません。「防御」と「回復」は似たようなものですが、防御を完全に捨ててしまうと回復する間もなくやられてしまいますし、回復されない防御はいずれ破られます。「支援」は……あれば便利ですがこれだけはなくても何とかなる場合もあります。


 世界樹もまた例外ではなく、これらの比重をどう組み合わせるかで、プレイヤーが出るのではないかと思います。

 世界樹シリーズが他に類を見ない点としては、前列後列の概念でしょう。当然ほかのRPGでも全くないわけではないですが、世界樹シリーズにおける編成面での制約は、すべてこの前後列に集約されているといっても過言ではないでしょう。

 パーティーメンバーはどの作品でも最大で5名。6つ目の枠は、特殊な場合使います。この時、一列は最大3名までしか入れられないのがミソで、近接攻撃が得意なクラスを4人以上入れても、多くの場合無駄でしかありませんし、後衛前提のクラスを前に置けばたちまち敵の攻撃でやられてしまうでしょう。

 世界樹シリーズは大体前衛後衛が半々で、中にはどちらにも置けるクラスも多いですが、シリーズの中には前衛過多だったり(特に最新作のX)、逆に全体的に柔らかいクラスが多かったり(Ⅳとか)するのも悩みどころですね。


 パーティー編成のあれこれにつきましては、語ると長いので専門ページを作る予定ですが、ここで何を言いたいかと言いますと、ストーリーモードはパーティー編成の手本になるということです。

 とりあえず、どんなメンバーをそろえればいいかの指標にうってつけかと。

 特に新Ⅰストーリーモードの編成は、クラス間のシナジーを深く考えなくても使っていける編成なので、初心者はまずストーリーモードの編成を真似てみると上手くいくと思いますよ♪


 …………ただし、初期配置でさらっと後衛クラスが前衛にいる点には注意。

 サイモオォォォォン!!

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