世界樹の迷宮Ⅲ ~樹海も、航海も~
世界樹の迷宮は、樹海だけしか歩かないと、誰が決めたんだ?
世界樹の迷宮Ⅲ『星海の来訪者』は、世界樹シリーズの一種の転換点だったと思います。世界は、一気に広がったのだ!
今作は迷宮探索だけでなく、拠点となる街の周囲の海を船で探検することが可能になりました。
毎日迷宮で死闘を繰り広げるのもいいが、たまには戦いを忘れて、のんびり船旅や釣りを楽しむのも一興かもしれません(戦闘が全くないとは言っていない)。
ギルド名:ステルラエクエス
パーティーメンバー:
―前衛―
・プリンス/ファランクス
・モンク/ショーグン
―後衛―
・シノビ/ゾディアック
・ゾディアック/プリンセス
・バリスタ/ウォーリア
※クラス表示は 本業/サブクラス
ギルド名は、ラテン語で「暁の騎士」だった気がする。
プレイした全シリーズの中でも一際異色の編成で、
全火力を後衛が担い前衛がサポートするという、正気の沙汰とは思えないコンセプトです。一応これには理由がありまして、この作品から味方のバフが全体ではなく列になったため、強化する対象はなるべく同じ列にいた方がいいというのがあります。
あと、歴代の中でも前衛が一番脆いです。その上、回復役まで前衛にいるのですから、もうね……
ただし弱いかと言えばそういうこともなく、比較的使いやすかった印象があります。殆どの雑魚敵は後衛のゾディアックとバリスタが一掃してくれますし、厄介な敵はシノビが状態異常で沈黙させてくれます。
そして中盤以降、Ⅲの目玉ともいえる「サブクラス」の登場で、使い勝手の良さはさらに加速します。
この「サブクラス」というのは、その名の通り第二の職業のことで、二つの職業を兼任することができるようになります。職業の組み合わせによって、ぐっと戦略の幅が広がりますが、上の中で特に強力だったのが シノビ/ゾディアック。
細かい説明は省きますが、彼女がいるだけで一列分のメンバーがTP消費なしでスキルを発動できるという超絶チート性能を誇っていました。
欠点はやはり、先ほども言ったように全体的に脆いことで、特に前衛が集中砲火を食らうと、パーティーが一瞬で瓦解します。これが原因で第4層ボスで、スキル振りの修正を迫られたほどです。持久戦にとことん向かない編成でしたね。あとはやはり搦め手が少ないので、敵の行動を阻止しにくかったのもマイナス。
ただ、今思うとⅢの職業は全体的に前衛が柔らかめだった気がします。
余談ですが、今回のパーティーメンバーは、バリスタ以外のキャラクターが高校生の生徒会役員でした。適当にあっちこっちから引っ張ってきて、何たる偶然!
・Ⅲをプレイして感じたこと
Ⅲは世界樹シリーズの転換点というだけあって、ゲーム内でできることが大幅に増えました。迷宮だけでなく大海原の探索ができるようになり、サブクラスの導入よってプレイヤーが取れる戦術戦略の幅が一気に広がりました。
Ⅲの職業は全体的に癖が強いのが多かったですが、Ⅱまで各クラスが単体で機能していたのに比べ、連携を重視した性能になっていました。
Ⅲの難易度は簡単とも難しいとも言えない、ある意味絶妙なものでした。
敵の強さはⅡよりかなりマイルド……と、思いきや! ある時突然理不尽に強い奴が沸いてきて、油断しているボウケンシャーに地獄を見せてくれます。
とくに有名なのは一番最初の階層で、奥に進まなければ敵がかなり弱いのですが(それでも装備整えてないと体力半分持ってかれますが)、次のフロアに行く階段の付近に行くと急に強いモンスターが現れて、前衛を一撃で粉砕してきます。幸い私は、何となくレベル上げをしていたので、前衛が一撃死するまでには至りませんでしたが、それでも大ダメージを食らってむっちゃビビりました!
んでもって、問題はその次の階層。
まず前提として、地下2階層は珍しく昼と夜で出現するモンスターが違うというギミックを採用していました。私は地下2階に入ってすぐに街に戻り、情報収集していると、なにやら夜にいい資金稼ぎになるモンスターが出るという話が。実際、夜限定でそこそこ強い代わりにいい条件ドロップを落とす敵がいたので、これはいいとばかりに狩りまくっていました。
一方で、弟が私と同時並行でⅢをプレイしていたのですが、私が地下3階に到達しているにもかかわらず、まだ2階の半分も行けてないという。なんでも、滅茶苦茶強い雑魚敵がいて、そいつに出会うたびにリソースを使い果たしてしまうんだとか。実はその無茶苦茶強い雑魚は昼間にしか出ないため、夜行性になっていた私のパーティーは戦う機会がなかったのだ。
じゃあ実際に戦ってみようということで、昼間探索を開始し、いざ戦闘開始。そこには見慣れぬ緑色の巨大な鳥が…………こいつか、滅茶苦茶強い雑魚は。だが、すでに3階に到達している我らにとってこの程度の敵は――――――
攻撃痛てぇ! 防御固てぇ! 体力高すぎぃ!
戦闘終了後、そこにはリソースを使い果たしボロボロになったわがパーティーの姿が…………。とりあえず、弟には夜歩くと楽だよと教えてあげました。
詳しくは「大喰らい 世界樹」で検索!
・シリーズ唯一のマルチエンディング
世界樹Ⅲは全シリーズで唯一、マルチエンディングを採用している作品でもあります。これは、Ⅲから「強くてニューゲーム」ができるようになったからで、システムも周回を前提として作られています。エンディングは全部で3種類あり、うち2つはエンディングに向かう過程でそれぞれ1つずつ隠し職業が解禁されます。
個人的にはマルチエンディングはいい案だったなと思いましたが、プレイヤー間では賛否両論だったらしく、以降の作品はエンディングはすべて共通となっています。まあ、ストーリーが若干無理やりだった感は否めませんが。ちなみにエンディングによって表ラスボスがそれぞれ異なりますが、いわゆる「真エンディング」と呼ばれるかなり条件が難しいルートのボスが異様に強く、帝政レベルでは苦戦は必至だろうと思います。
あと、周回を前提としている割には、一度クリアしたクエストはニューゲームしても復活しないなど、色々と粗がありましたね。
これらに関しましては、後継の作品で劇的に解消されましたので、過渡期ならではのものがあったんだなと、しみじみ思う次第です。
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