迷信

迷信

それは書道の時間

墨の香りが鼻を掠めて

この黒に淫靡を感じていたの


故意だったって言うならば眼鏡を

指で持ち上げた鼻先に止まった

こんな空気の正体だってさ

まんま、理解不能でしょうねと


崇めて拝んで窓を開け

ピタッと分かたれた3と7

これは邪悪な神様のようだ

君の声だけが聞こえない夕


迷信

それは書道の時間

墨のように清らかな髪が

僕の心臓を絡めて離さなくてさ


請いだって言うならば目玉を潰して

指に輪を描く血流を押し迫る

こんな空気の中にあるんじゃ

もうなにも見えやしないや


崇めて拝んで窓を開け

とらわれたのは君の色気で

浮世離れした背丈に詰まった

この闇雲な愛を裂かしてやろうか


邪心 空中分解

飛ばされた意識の戻らない秋に

曇らない眼鏡

審美眼の行き着く先には

どっどっどうでもいいけどって

流暢な字で「いいえ」を説くの


わからない、わからないな恋は

風邪に揺られたプリーツスカート

墨を流した、関係に

余計なものはいれないで

信仰に似てる


恋とは迷信そのものだ

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