ノウマルスチューデント

固い道路に車が走る

点滅の太陽が分散して

それは街灯になった

オレンジは

熱を持ったガラス加工に

出てくるそれにそっくりで

きっとそこらを歩く人が捨てた

夢とか希望なのかもしれない


放射線状に末広がり

私へと向かう空は夕焼け

上に真っ黒を垂れ流すから

だらんとのびた雲が形を作らず

この町はいつも窮屈だった


東京タワーのことを

電灯って呼んで

田舎にはそれがたっくさんあるのだ

私の後ろにはバイクと自転車

坂の上にばかり学校はあって

酸素が薄くて息苦しいの

これは立地のせいだと

校則を遵守した私は頷いていた

こんな風にそうだ

振り向けば連れていかれる

高校は現実をこぼしたままでなお鮮やかだ


飛び降りたい衝動に

来週のテストが脅しをかけて

私、見えるのは

夜が始まる住宅街

飛沫した太陽の欠片を辿り

家に着く私も

断捨離をしながら育っていくんだ

振り向いて、安堵

ここには街灯なんてものはないのだから



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