天候

有史以来人間は天候に支配されてきた。


これは文明創成期から続いていることである。


時には神がお怒りだと言い、時には神風が我らを救ってくれたと言う。


しかし、科学の発展によってこれらの現象がただの気圧と湿度、気温によって成り立つものだと証明された。


その結果、天候を神の怒りでも恵みでもなく、環境の現象、情報として捉える社会が訪れた。


面白いことに、一見ここで天候の社会的影響力が衰えたように思えるがそうではなく、逆に影響が強くなった。


なぜなら、天候をただの情報として捉える社会が進んだ影響で、神など迷信だと言って切り捨てることができなくなったからだ。


現に、今夜(2018/09/30)関東に台風が来ると言ったら東日本JRは在来線の営業を20:00で完全に取りやめにすると発表した。


人間は、数字に弱い生き物である。


今後、これまで人間の介在し得ない神の領域だと思われていた、環境的な部分がどんどん数式、関数化されていく。


そして、どんどん神のせいにできなくなり、人間は数字に支配され数字に環境に動かされるようになる。


天候のみならず空間も関数化できた時、本当の意味で人間は環境に支配されるようになるのだろう。


数字に抗うすべを、数字に支配されない力を見つけなければいけない。



そうしなければ...

形だけの社会の駒のように。

奏でられなくなるのだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る