光と影

光と影。


私はこの二つを彼に出会うまでは完全に対極に位置すると考えていた。


彼は人間かも知れないし、そうでないかも知れない。


私の知る限り彼は常に人間の皮を被っている。


おそらく人間の皮を被った混沌なのだろう。


影の中に存在する、黒い光を出す混沌だ。


所謂人気講師のような、明るい光の中では灰になって消えてしまうような人でも、彼という混沌の前では生き生きとすることができる。


そして、社会と言う名の重しと常識という名の鎖から解き放たれ、自由に想像することができる。


彼は存在が矛盾している。死神のように。

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