第3話 今日という日
子供の頃は、仲のいい友達もいる。
生まれて初めて出来た友達なら、特別な思い入れがある。
でも、別れは訪れる・・・
「絶対に、君の事わすれないからね」
「僕もだよ」
そう約束する。
ども、所詮は幼い子供・・・
時間が立つにつれ、どんどんと記憶が薄れて行き、
大きくなるころには、完全にこぼれおちる・・・
でももし、「あの時別れずに、今も親しい関係だったら・・・」
誰しも、思った事があると思う。
俺もそうだ・・・
「・・・きて・・・」
「えっ・・・」
「起きて・・・」
彼女の声に目が覚めた・・・
「ここは・・・」
「私の膝枕、気持ちよかった?ぐっすり寝てたよ・・・」
いたずらっぽく、笑う・・・
「どのくらい・・・寝てた・・・」
「一時間ほど・・・」
「そんなに・・・」
「うん・・・」
「そっか・・・」
不意に彼女が、声を掛けてくる。
「ねえ」
「何?」
「幼稚園の頃の事、覚えてる?」
「いや、殆ど覚えてない・・・」
「当時の友達も?」
「記憶にない・・・」
彼女はさらに続けた・・・
「戻りたい?」
「えっ?」
「幼稚園の頃に、戻りたい?」
「いや・・・」
「そっか・・・」
それ以上、彼女からの追及は、なかった・・・
「ねえ、今がいつかはわかる?」
「何月何日かってこと?」
「うん」
「20××年○月△日かな・・・」
「外れ」
「ならいつ?」
「199×年○月△日よ・・・」
俺はびっくりして、飛び起きた。
「その日は確か?」
それだけは忘れもしない・・・
俺が今住んでいる町へ、引っ越しをした日だ・・・
親の都合で・・・
最初は、彼女の冗談だと思っていた・・・
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