第35話
女性刑事はハンドルを操作し、バックで停車させた。後ろには、一週間ぶりに見る施設が建っていた。
「着いたよ。頭と足元気をつけて」
女性刑事は車を降り、後部座席のドアを開ける。その時、琴美の様子がおかしい事に気付いた。
「琴美ちゃん、どうしたの?」
問うと、琴音がなんとも言えない顔を見せ、小学一年生相応の反応をする。
「刑事さん。どうしよう」
「琴美ちゃん、どっか痛いって?」
「気持ち悪い上に、お腹と頭がさっきより痛くなって、降りれないって」
「あら。大丈夫かな。中まで私がおんぶしていくわ。琴美ちゃん。乗れる?」
「ごめんなさい。刑事さん。また迷惑掛けちゃったね」
「気にしなくていいのよ。琴音ちゃん、先に入って施設の人入り口まで呼んで来て貰えるかな?誰でも良いから」
「分かった。行ってくるね」
琴音は少々心配そうな顔をしながらも、施設の中へ進んで行った。それを見届けた女性刑事は、署に報告の電話を掛けながら、琴音たちが来るのを待つ。
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