第18話

残された二人は、まずこの部屋の掃除から始めることにした。掃除用具入れから箒と塵取りを取り出すと、床の埃を取り、雑巾で家具等の汚れを拭き取る。

「ねえお姉ちゃん。どうなっちゃうのかなあ…」

不安そうに姉を見上げる琴美に、琴音は安心させる様に妹の肩に手を置いた。

「大丈夫。きっと誰かがすぐ助けてくれるよ」

「でも…」

「今日はもうお休み。色々あって疲れたでしょ」

「でも怖くて眠れない」

「お姉ちゃんが一緒に寝てあげる。それなら怖くないでしょ?」

「お姉ちゃんももう寝るの?」

「そうね。携帯も取り上げられちゃったから、特にやることも無いし。横になってるよ」

「うん。どこへも行かない?」

「行きたくても行けないわよ。大丈夫。ずっと一緒にいるから」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る