第17話
すると、浴室のドアが開いた。あの男が入って来たのだ。
「妹を見つけたようだね」
「うん。これから私たちをどうする気なの?」
「一週間、同じ部屋に閉じ込める」
「お風呂は?ご飯は?」
「無しに決まってるだろ」
「お水も無し?」
「水は用意しておく。だが食事は無しだ」
「部屋はどこ?」
「付いて来い」
姉妹は、男の後に続いて歩く。行き着いた先は、タバコの匂いが充満した、埃っぽい部屋。家具といえばダブルベッドと小さなちゃぶ台くらい。あの広い浴室やロビーと同じ家とは思えないくらい質素な部屋だ。
「外に出れるのは一週間経った後だ。水だけで一週間持つかな」
「ねえ。この部屋、お掃除しても良い?」
「構わんが、自分たちだけでしろよ。俺は何もしねえからな」
犯人はそう吐き捨てると、乱暴にドアを閉めた。
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