白き太陽と影の怪物

甘味しゃど

予告

 嘗て――フレンズ達を陥れ、ジャパリパークを絶望に染め上げようとした少女が居た。

 嘗て――己が信条を貫き、ジャパリパークを救った英雄と呼ばれた少年が居た。


 見据える場所は違い、見つめる物も違う。

 まるで相反するような鏡のような存在の彼等は、決して出会うことは無く、邂逅する理由も、その意味さえも存在せず、彼等は互いの世界にて一つの終末を経た。


 だが、世界の物語は終わらない。


 世界は一気に加速する。


 影なる怪物は、産声を上げ邪悪な力を悪逆の限りに振るう。

「僕は、僕は……戻ってきタァァァァァァァァァァァァッッ!!」


 白き英雄は、戰いの果てなど無いかのように運命を呼ぶ。

「例え、闇が明日を隠そうと……光は必ず先にあるんだ!」


 出会うはずの無い二つの存在が、今……交差する。

 彼等の出会いは偶然か? 必然か?


 その出会いは一体、何を啓示するのか?


 拳は握ったか?

 覚悟は決めたか?


 勝利の条件は理解したか?

 目の前の敵を理解したか?


 勝利の果てに何を獲得し、敗北の果てに何を失う。

 敗北の果てに何を獲得し、勝利の果てに何を失う。


 ならば、最早語ることは放棄しよう。


 此れは、個人の個人による個人の為の戰いだ。


「「さァ、存分に楽しもウさぁ、存分に楽しもう」」

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