圏外

囲会多マッキー

第1話 仲間はずれ

 よく無視される。


 いじめのアンケートにあるものだ。


 無視されるならまだマシだ。


 実際に暴力や死を感じるいじめに発展することはほとんどないから。


 無視されたら自分も話なければ、いじめる方はつまらなくなって何もすることはなくなる。


 これは自分の考えではなく、母から言われたものだ。


 しかし、子供の私には耐えられないものである。学校の先生は「仲良くしろ」と言うのだから。


 だから私は本の世界に閉じこもったのかもしれない。


 学校では必要以上に話さずに本を読んで無口で真面目な少年。


 それを演じていた。


 本当の自分をさらけ出すことは全くなかった。


 ────仲間はずれにされるから。


 全ての人の会話にフィルターをかけて、自分の本当の姿は誰にも見せることは無かった。


 それを変えてくれたのは中学校の先生だった


 私は3年間同じ担任だった。学年主任の先生でその先生は、不登校に対して「来い」という感じではなかった。「来なかったら自分のせい」とどんどん自分の態度を改めて行く先生だった。


 この先生以上の先生にはこの先出会うことはないだろう。


 ヘルニアになっても生徒のために一生懸命だった。


 そんな先生に私は惹かれたのかもしれない。


 初めて学校の先生になりたいと思った。


 しかし、私には夢がある。


 その夢を叶えなければ先生との約束を果たせない。


 先生の努力を無駄にはしたくない。


 そのために私は生きているのかもしれない。


 それでは叶ったあとが大変だから、祖父に追いつくのを夢として。


 ────ひとりにしないでよ。


 未だに思うのだ。いじめのトラウマである。1人になるといじめられる。だから多数派につく。


 クラスの圏外にいることが怖いのだ。


 周囲にはバレないよう隠すことはできるが、心の中は、本当に怖いのだ。


 いじめはあってはならない。しかし、それを防ぐことは出来ない。


 いじめ問題が表面化してきた今だからこそ思う。


 1番重要なのは圏外にいる人を作らないことだ。


 先生の圏外にいる人を作らないのが1番良い。


 圏内にいても何もしないなら意味が無い。だからこそ、教師の考えも改める必要があるのではないか。


 これをこの先ずっと言い続けたいと私は思う。

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圏外 囲会多マッキー @makky20030217

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