第4話 えぇと……、師弟?それとも恋人?

 セルの恋人になってから一週間が経った。しかし師匠兼恋人という謎の関係を持っているわけで……。結局何が言いたいか。


 僕の立場が映えない──!!


 何故って?まず、師匠としてダメダメな僕がセルと向き合えばデレるじゃん!師匠とか関係無しに!!しかも最近セルが恋人になってからツンツンデレデレ、いわゆるツンデレ!可愛すぎる!あとツンデレもいいけど、セルの眠い時の顔が一番可愛い!『し…しょう……。』って言いながら目を擦って頑張って起きようとしている。しかし力尽きて僕の前でスースー寝息をたてて寝る姿!可愛すぎる!

 ハッ!セルの可愛さに話が逸れてしまった!まぁ、僕とセルが恋人になった事で二人の立ち位置(特に僕の立場!!)が曖昧なのだよ。

 このまま師弟関係を無くして恋人でもいいんだけど、それもなんかなぁ…。僕の師弟っていう威厳がなくなるよなぁ…。

「あ、師匠。ここに居たんですか」

「うん。ここは僕の妄s……。う"う"ん。書斎みたいな場所だからね。少し考えてたんだ」

「言い直しても遅いですよ………」

 ドン引き顔のセルも可愛いね。

 僕の妄想場所=書斎(表向き)は家の端にあり、食卓や居間とは少し離れている場所にある。よくここに来てはセルのことで想い浸ってたり、セルの可愛さを想像したりしている。この部屋には両開き窓があり、そこから見えるセルを眺めたり、見つめていたり、目で追っていたりする。

 要するにセル大好きです……!!!

「ところで僕に何か用事があって来たんだろう?何かあった?」

「師匠に引き過ぎて用事を忘れるところでした。えっと……」

「……?」

 珍しく言葉に詰まっているセルなんて……。レアだ……!!

「あ、あの!ひ、久しぶりに、ど、何処か出掛けませんか……!」

 顔を隠すように、目線を(久しぶりに)逸らして小さく呟いた。

 ………………。え………?え、それって…………?

「………………っ!!!!///////え、で、デーt…フガッ…」

「そんな事一言も言ってないです…!!で、どうなんですか……?」

 セルに口を抑えられた。色んな意味で体温が上がる。セルの顔が上にあって、見下げられてるかんじ。でもセルの顔が赤くて何だか格好ついてない。

 そんなセルの手をそっと僕の口から外し目線の高さを同じにする。そしてセルの体を引き寄せて、優しく唇を重ねる。

「うん。もちろんセルとなら何処へでも出掛けるよ」

 言った後にもう一度キスをする。抵抗しないセルにもっとやりたい気持ちを抑えて、僕より少し背の低い彼を見つめる。

「ぼ……、僕もししょ……貴方となら…何処へでも着いてきます……」

 照れながら言うセルに僕もつい吊られて照れてしまう。かわいいなぁ。こんな子一生手放せないよ…。

 ギュッ、とさっきより強く抱きしめる。


 僕は何があってもこの子を絶対守り続ける。

 師匠として、大人として。そして……


 ───最愛の恋人として

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