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翌日のC市警察署の喫煙所には、二人の変人が集まっていた。その存在感たるや他の署員も誰であろうと近寄れない雰囲気である。
浜岡は柳下に頼まれたものの結果を柳下に告げる。
「柳下さん、やっぱり入ってたよ。ハンコにね」
「やっぱり、な」
「普通だったら見逃すくらいのレベルだろうが……そこを見逃さないのが俺クラスのプロだよ」
浜岡はタバコを得意気にふかす。柳下はそれを見てにやりと笑った。
「やっぱお前に頼んで正解だったよ」
「あぁ、でもよくわかりましたよね。事件で使われたハンコに入ってる物」
「そりゃそうさ。あんなの現場、ガン見すりゃすぐわかるようなもんだぜ」
柳下はタバコを揉み消し、次の一本を銜えると言った。
「さて、こっからが勝負だ」
「ふ〜、出たよ柳下さん。本領発揮ってやつっすね」
「あったりまえだよ。全ては源さんを助ける為だ。あの巫山戯た【板前の源さん】を野放しにはしてらんねぇからな」
柳下の本領発揮。柳下はいつになく生き生きとした目をしている。興が乗ってきた時の柳下は誰にも止められない。
「さて、これから遊びにでも行くかな」
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