第五章 双頭の鷹 --- 2

 サイファエール王国の西の玄関口として古くから栄えている大港町テイランは、ズシュール領主が治める地の最南西にある。西はベイハール海に面し、南は大陸最長と謳われる大運河イルクークを挟んで隣国レイスターリアと接する要衝の地である。かつて、国王の直轄地として総督が政を行っていたこともあったが、その売国行為によって莫大な富が隣国に流れ、また国境線を巡る両国の戦争に発展したこともあり、現在は領主の一元支配の下、平和な日々が続いていた。

 領主の居城プリスラは、テイランの東の丘、カナン河とイルクーク運河を水源とする人工湖の只中にあった。その内郭は、東外郭、西外堀、南湖、北湖に挟まれた浮き島に築かれ、そこへ渡るためには西外堀から三つの跳ね橋と三つの城門を通らなければならず、今日まで難攻不落を誇る。城の北側には森が広がり、南側には侵略者を牽制する城壁が築かれていた。サイファエールの国境には主要街道に六つの要塞が築かれているが、その中で唯一、要塞と市街が一体化し、また国軍の将軍がいない場所でもあった。

 目下、そんな一国の運命さえ左右する地を治めているのは、今年で五十五歳となるデルケイス=ラドウェルである。国王の信任厚く、先だって落命した宰相ウォーレイの義兄にして、実兄のように慕われた偉丈夫である。髪と眉、そして髭の色が灰色な以外は息子とよく似た風貌で、お膝元の商人たちからは「飴と鞭の領主様」と恐れられていた。

 王都から凶報が届いたのは、プリスラ城内の留置房が反逆者イスフェルの暫定的な流刑地となってから、わずか五日後のことであった。当初、王都からの早馬を、イスフェルの今後の処遇についての沙汰だと思っていたデルケイスは、その内容に愕然とした。

「アイオールをこれへ」

 険しい表情と声音で、すぐにテイラン警備隊の隊長を務めている息子を呼び戻すよう指示する。警備隊の屯所はテイランの中心街にあり、アイオールは日中はそこに詰めているのだった。半ディルクほどして現れた息子を連れてデルケイスが向かったのは、内郭城門棟の中にある甥の留置房だった。

「伯父上、アイオール」

 期せぬ時間帯に現れた領主親子に、寝台に座って本を読んでいたイスフェルは、すぐにそれを閉じた。罪人が牢獄で読書――それは、かの囚人のもともと身分が高いからではなく、ズシュール領内の牢獄では、罪人の学力に相応しい本が差し入れされることが数年前から常となっていた。

「もしやいらっしゃるかと思っていました」

 階下を早馬が通ったことは、物音響く石造りの棟内にいる以上、嫌でもわかるのだった。問題はその内容である。

「王都は、私の処遇について、何と?」

 イスフェルの問いに、アイオールも父の顔を見た。デルケイスは謁見の間から留置房まで一切口を利かず、アイオールも未だその内容を知り得なかった。

「そなたの……」

 不意に言葉を切った父の横顔がいつになく暗く、アイオールは眉根を寄せた。まさか、極刑――そう思った瞬間、デルケイスが再び口を開いた。

「そなたの沙汰なら、どんなに良かったか」

「えっ……」

 意表を突かれ、イスフェルとアイオールが同様に声を上げ顔を見合わせた瞬間、デルケイスは呪術を使った。呪縛という術を。

「国王陛下が、崩御なさった――」



 湖面を吹き渡ってきた風が、セフィアーナの長い蜜蝋色の巻き髪を軽く揺らした。

 今、彼女がいるのは、内郭の北西部、北湖に面する塔の袂に造られた小さな庭園である。中央には愛と美の聖官エリシアの彫像を載せた噴水があり、そこから四方に伸びた水路には、満面の水が湛えられていた。植えられているのはもっぱら花を咲かせる草木だったが、ある一角にだけ、雑草と見間違えるものが整然と並んでおり、彼女は怪訝そうに歩み寄った。

「薬草、かしら……」

 膝を折り、その中のひとつの葉に触れて首を傾げた時、ふいに背後から声がかかった。

「そのとおり、薬草だ」

 セフィアーナが振り返ると、少し離れた場所にアイオールが立っていた。その顔色がいつになく悪く、セフィアーナは眉根を寄せた。理由を尋ねようとしたが、それより一瞬早く、近付いてきたアイオールが言を次いだ。

「それをこの庭に最初に植えたのは、九歳の子どもだ」

「え……」

「もう、かれこれ十年近く前の話になる」

 突然始まったアイオールの昔語りにセフィアーナは面喰らったが、そのまま黙って耳を傾けた。

「この城に出入りしていた商人に、シュリという名前の息子がいた。シュリは私よりひとつ年下だったが好奇心旺盛でな、城を抜け出してはそこいらで遊び回っていた私とはすぐに気が合った」

 当時、十五歳だったアイオールがどれほどかというと、家庭教師を連続六人辞めさせたところだった。将来、領主になることは既に自覚しており、学問を軽んじていたわけではない。部屋に籠もって書物を相手にするより、外に出て、実際に動いている人や物から教わることの方が性に合っていたのだ。ちなみに、家庭教師罷免記録は、八人まで更新された。

 事件は、夏のある午後に起きた。それまで雲ひとつなかった空に、突如雷雲が立ち込めた。海に面したテイランではよくあることだったが、山の中を探検していたアイオールとその仲間たちには歓迎できかねる変化だった。痛覚が反応するほどの大雨に、少年たちは身の寄せ場の見付からぬ山中を彷徨った。そして、先頭を行っていたシュリが、崖から転落したのである。

 五ピクトも下の岩場に落ちたにもかかわらず、幸いにもシュリは足首の捻挫と打撲、擦過傷を作ったのみで、重傷を免れた。シュリのいる岩場に降りた仲間たちは、自分たちの脱いだ服で屋根を造り、シュリが濡れないようにしてやると、その手当てにかかった。その時、申し訳なさそうなシュリが、何かに気付いて仲間の足下を指さした。見ると、周囲が鋸状になった丸い葉を付けた草が、岩の間から何本も顔を覗かせていた。

 それを怪我に効くニレバニ草だと判断した仲間たちは、その葉をたくさん集めると、揉みほぐしてシュリの患部にあてがい、その上から裂いた衣服を包帯代わりに巻いた。それから適度に太い枝とやはり衣服で簡易の担架を作ると、嵐が通り過ぎるのを待って、街へ戻った。しかし、街の門まであと少しというところまで来て、アイオールは異変に気付いた。包帯を巻いたシュリの手足がどす黒く変色していたのだ。見れば、シュリの顔はすっかり青ざめ、唇は紫になっていた。その後の展開は、あっという間だった。

「――その草はニレバニではなく、アユラスという毒草だった。シュリは、私たちの目の前で死んでいった」

 セフィアーナは、ただ息を呑むことしかできなかった。

「シュリの葬式が終わってからも、シュリの父親は品物を納めによく城へ来ていた。私は彼を見かける度に物陰へ隠れて、会わないようにしていた。シュリを連れ回していた私のことを、彼はきっと恨んでいるだろうと思って怖かった。いっそのこと、父が彼との取り引きをやめてくれればいいのにとさえ思った」

 ツァーレンで出会ってからこの方、アイオールは『卑怯』という言葉とは縁遠いところにいる人間だという印象を受けていたセフィアーナは、小さく首を傾げた。

「アイオール様らしく、ないですね……」

「所詮は城のお坊ちゃん、さ」

 アイオールは大きく息を吐き出すと、北湖の対岸に広がる森に目を遣った。

「……だが、は違った」

 シュリがいなくなって数日後、アイオールがシュリの父親を見付けてこの庭園へ逃げ込んだ時、ひとりの少年が花壇のない隅にうずくまっていた。アイオールが話しかけると、体中を泥まみれにし、小さな何かの苗を手にした少年は、あどけない顔に真摯な表情を浮かべて言ったのである。

『伯母上がここに植えてもいいって。オレ、シュリのために薬草のことを勉強するんだ』

 セフィアーナは目を瞬かせた。

「それって……」

「ああ」

 アイオールは溜め息とともに頷くと、背後の城門棟を顧みた。

「十五の私が逃げ回っている間に、九つのアスフィールはすべきことをきちんと見極めていた」

 セフィアーナは、いま一度、小さな薬草園を見回した。ここは、イスフェルの原点のひとつなのだ。そして、シュリの死がなく、またイスフェル少年が薬草学に目を向けなかったら、彼女はおそらく今この時この場所にはいられなかった。いつぞや、暴漢から受けた毒針によって、命を落としていたはずだから……。

「街で、せこい泥棒を捕まえた時もそうだった」

 アイオールの昔話は、まだ続くようだった。さすがのセフィアーナも、半ば困惑を隠しきれない。だが、堰を切ったように話すアイオールの様子が、彼女に口を挟ませることを許さなかった。

「警備隊にそいつを突き出した後も、アスフィールはちょくちょく牢屋に顔を出していたらしい」

「何のために……?」

「泥棒がなぜ罪を犯したのかが気になった、と。そこで、アスフィールは大半の囚人が文字の読み書きができないことを知った。知って、読める囚人には本を与え、読めない囚人には字を教え始めた。学がないために犯罪に手を出すことがある――そのことを、小さなあいつから教わった。――敵わない、と思った」

 ズシュール領内の牢獄に本が置かれるようになったのは、それからすぐのことである。

「これが、私があいつのために死ねる理由、監獄に火を放った所以、だ」

「アイオール様……」

 セフィアーナは立ち上がると、今度こそアイオールに向き直った。

「どうして、そんな話を私に……?」

 今の話を聞く限り、アイオールにとって、イスフェルは年下にもかかわらず彼に忠誠心を煽らせる――もっと言えば、劣等感を抱かせる存在だったのだ。イスフェルを支持する理由を他人に話すと言うことは、つまりアイオールの心の暗い部分を自ら暴露するのと同じことである。いくらイスフェルのことを認めていても、背後にそういった感情がある限り、めったやたらに他人に語れるものではない。だが、アイオールは口を開いた。

(――何か、あるんだわ)

 そう確信する彼女に、アイオールは長い沈黙の後、色のない顔で言った。

「純粋なあいつの運命は、あまりにも過酷だ」

「それは、どういう……」

「王都から早馬が来た。国王陛下が崩御された。おまけに、王太子殿下が……」

 セフィアーナは瞠目した。心臓が、早鐘を打ち始める。

「ミ、ミール様が、どうかなさったのですか!?」

 アイオールは、喘ぐように小さく息を呑み込んだ。

「……即位の儀の直前に、熱病で倒れられたらしい」

「え、えっ……!?」

「きみに、あいつが救えるか……?」

 セフィアーナは慌てて城門棟を振り仰いだ。アイオールの憔悴振りからして、イスフェルの受けた衝撃が計り知れないことは嫌でもわかった。

(どうして、彼ばかりが身をもがれる思いをしないといけないの……!?)

 鷹巣下りの折り、イスフェルは王子たちを迎えに行くことが本当に正しいことなのか、仲間と対立するほどに悩んでいた。そして、その壁を乗り越えて手に入れた王子たちを、必ず守ると誓った。しかし、それを彼自身の浅慮で破棄してしまった。その悔恨の深さは、大切な人々の生命と引き替えに闇へ潜るばかりだった。唯一の望みは、王都に残してきた王子や仲間たちが、彼の夢を追ってくれることだけだったというのに。

 気付いた時、セフィアーナは城門棟に向かって走り出していた。たとえ救うことができなくても、そばにいることはできる。そばにいれば、きっと何かの役には立つはずだ。それが、カイルやイスフェルが彼女に教えてくれた、唯一の真実だったから。



 セフィアーナがイスフェルの独房へ辿り着いた時、イスフェルは寝台の横の床に座っていた。その藍玉の瞳は虚空を見つめ、微動だにしない。セフィアーナは身震いするほど恐ろしくなって、思わず鉄格子に縋った。

「イスフェ――」

 やっとのことで声をかけようとして、床の上に妙なものを見付けた。何か粘りけのあるものがこびり付いたような痕だった。その揺らぎのある筋を目で追っていって、セフィアーナは口を覆った。イスフェルの両の拳が、血まみれになっていたのだ。感情に任せて、床に打ち付けたのだろう。

「イスフェル! イスフェル!」

 セフィアーナは鉄格子の間から手を伸ばして叫び、手が届かないと気付くや、今度は暗がりの廊下に向かって叫び始めた。

「誰か、誰か来て下さい! ここを、ここを開けて……!」

 思い出すのは、荒野で再会した時の、イスフェルの傷ついた瞳だった。もう、どこも傷つける場所がないはずの、手負いの獣のような瞳――。その時、

「セフィ、セフィ、落ち着くんだ」

 ふいに正面に現れたイスフェルの顔に、セフィアーナはうまく息ができず、そのままそこへへたり込んだ。

「大丈夫かい……?」

 それはセフィアーナの台詞だったが、あまりの衝撃になかなか言葉が出なかった。そんな彼女を見て、今度はイスフェルが廊下の先に向かって叫ぶ。

「誰か! 水を持ってきてくれないか!」

 しばらくして、水差しを持って怪訝そうに現れた番兵は、廊下に座り込んでいる領主の客人を見て、慌てて駆け寄ってきた。

「セフィ、水を」

 勧められるまま水をひと口飲んだセフィアーナは、ようやくひと息吐くことができた。

「その手……」

「え?」

 少女の視線を追っていって、イスフェルは気まずげに顔を歪めた。

「あ……これは、その……」

「出して」

「え?」

「え、じゃないわ。手を出してって言ってるの」

 そして、どうしたものかと突っ立っていた番兵に、包帯を持って来るように頼む。

「セフィ、これはオレが勝手にやったことだ。それに、オレは囚人だ」

 特別扱いを嫌うイスフェルが慌てて言い募るのへ、セフィアーナは瑠璃色の瞳に怒りの色を滲ませた。

「そうよ、あなたは天下の反逆者よ。その罪をちゃんと償う気があるのなら、もっと自分の身体を大切にして!」

 その叫びに、青年が二の句を継げるはずもない。黙り込んでしまったイスフェルを見て、セフィアーナは少し後悔した。

「……ごめんなさい。少し、言い過ぎたわ。でも、本当に心配したんだから……」

 意外にも、彼は昨日会った時と何ら変わっていないように見えた。だが、それが表面上の問題だということはわかっていた。

「……すまない。だが、オレは大丈夫だ」

「うそ……そんなの嘘よ。こんな怪我まで作って……。私、さっきアイオール様から聞いたのよ――」

 その時、再び番兵の足音がし、イスフェルが彼女を制した。むやみやたらに話していい内容ではないということに気付いて、セフィアーナは口を噤んだ。

 やって来た番兵が両手で抱えていた木箱には、包帯の他にもちょっとした薬や清潔な布、手当てに使う道具が詰まっていた。セフィアーナは礼を言うと、さっそく水差しから布に水を落とし、イスフェルの手にこびり付いた血を拭った。

「……オレが大丈夫というのは嘘じゃないよ、セフィ」

 番兵が去った後、イスフェルが静かに口を開いた。セフィアーナが手を止めて彼を見遣ると、青年は自分の手の甲を見つめていた。

「大丈夫じゃないのは、王都だ。陛下を失ったうえ病に倒れた、ミール様だ。ミール様を心配する、マリオ様だ」

「でも……」

「セフィ、オレを心配してくれるのは嬉しい。だが、ここにこうしているのは――ミール様の病床に付き添っていられなくなったのは、そもそも自分のせいだ。オレは、悲劇の主人公になるつもりはないよ」

「イスフェル……」

 今度は、セフィアーナが押し黙る番だった。彼女はいつの間にか、イスフェルを弱い存在、守るべき者と思うようになっていたのだ。自分の傲慢さが恥ずかしかった。そして、惨劇のチストンからたった独りでアンザ島を目指した彼の強さを、いま改めて思い知った。セフィアーナは再び手を動かし始めた。

「……確かに、伯父上から最初に聞いた時は頭が真っ白になって……アイオールもそれで心配になったんだろうが、オレがここでまた落ち込んだところで、ミール様が良くなるわけじゃない」

 淡々とした青年の言葉にセフィアーナは静かに頷くと、唇を噛みしめた。あの明るくやんちゃな笑顔が苦痛に歪んでいると思うと、胸が締め付けられる。

「ミール様……大丈夫かしら……」

「セフィ、オレは信じてるよ」

 イスフェルの力強い言葉にセフィアーナが顔を上げると、彼は口元に穏やかな笑みを浮かべていた。

「荒野で這いつくばっていたオレに《太陽神の巫女きみ》を遣わしてくださった神を、オレは信じてる」

 その意を察して、セフィアーナも顔色を少し明るくした。

「……そうよね。ミール様はきっと良くおなりよね」

 ようやく血を拭い切ったセフィアーナは、今度は患部に消毒の薬を塗った。アイオールから聞いたばかりのシュリのことが、ふと脳裏をよぎる。それから丁寧に包帯を巻き、最後にその端を結ぶと、セフィアーナは大きく息を吐いた。

「骨は折れてないみたいで良かったわ」

 それに苦笑いしたイスフェルは、少し間を置いて切り出した。

「セフィ、お願いがあるんだ」

「なぁに?」

「ミール様のために、祈って差し上げて欲しい」

「それは、勿論よ」

 テイランへ来てから五日、城の暮らしに慣れるのがやっとで――なにせ城内を迷ってばかりいる――、まだ港町の方へ足を運べてはいなかったが、礼拝堂は城の中にもある。そこへは、毎日通っているセフィアーナだった。

「それから――」

 イスフェルはわずかに声を詰まらせた。

「亡くなった陛下のために、《鎮魂歌》を」

「イスフェル……」

 国王の穏やかな天色の瞳は、セフィアーナにも印象深く残っている。敬愛する実父ウォーレイが尽くし続けた国王のことを、息子のイスフェルが慕わないはずはない。そのイスフェルの痛みは、母を失ったばかりのセフィアーナにはよくわかった。



 翌日、テイランの空に三つの旗が翻った。国王崩御を知らせる黒い旗、国王の栄光を称える蒼い旗、そして新王登極を知らせる白銀鷹旗である。依然として王太子は病床にあったが、領主デルケイスは民心の混乱を憂慮し、白銀鷹旗も共に掲げたのだった。だが、テイランから千八百モワル離れた王都では、既に小さな波風が立ち始めていた。そのことを、サイエス監獄からオルヴァの屋敷へ戻ったシェラードからの手紙で知ったデルケイスは、自他共に認める大貴族のひとりとして物申すため、王都へ旅立った。一囚人としての分をわきまえ、イスフェルは伯父の展望を訊かなかったが、伯父が彼を共に連れて行かなかったことが、ひとつの答えのように思った。

 秋の涼やかな風が、セフィアーナの魂の歌声をイスフェルの独房まで運んできていた。

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