触れられない、何も残すことが出来ない、そんな哀しい存在でありながら、精一杯恋をして、生きている人間に「つなぐ」ことを選んだ美咲のあり方に心打たれました。
完結してから読み始めたのですが、最後へといくにつれて、涙が止まりませんでした。死んで存在も涙さえも影響を及ぼすことが出来ない彼女と、死のうとしていた男の人との繋がりが美しくて……「この世界は生きている人のためにある。」この一文が胸にささりました。