Episode10 もう一人いる!
やあどうも、僕だよ。
誰ですかって……久しぶりだから忘れられちゃってる? うん?
さておき今日は組織の工場の視察をしていてね。あ、工場ってのはビールとかミネラルウォーターを製造してるところね。最近はビラの効果があったのか従業員が増えつつあるんだ。嬉しいね!
逆に戦闘員に関してはやっぱり芳しくないみたいだ。基本肉体労働だし結構きついからね……。
でも兵器開発に詳しいやつが最近入ったみたいだ。コードネームは《淡麗辛口》っていうんだけど、『これからの戦闘に新たな風を吹かせる』なんて大見得を切って回ってるようなんだ。まあ、これは冗談半分で聞き流しておくかな。
近況報告としてはこんなところ。
今は工場からの帰り道なんだけど、どうやら異常なことが起こっているみたいだ。空が赤い。おまけに月が出ている。こんなことはリーダーやってて初めての事だよ。
それから……近くのケーキ屋の建物から少し離れた駐車場に誰かが居る。この状況について何か知っているかもしれないな。
ひとまずは気づかれないように近づいて聞き耳でも立ててみようか。
どうやら三人の人影ともう一人が話をしているようだ。げっ、あれは……魔法少女カナか! これは気づかれたら命はないな……。蝿を握りつぶすかのように即ピチュンさせられるだろう、震えてきた。
いやまてよ? その隣に居るのは……まさか! 魔法少女の仲間……つまり魔法少女か! しかも二人! やったあ! 神はまだいたんだ!
ということはということは、向かい側にいる女の子も魔法少女か……!? つまり三人!
はい僕の時代きちゃいましたあああああ!
魔法少女isジャスティス!
魔法少女パラダイスisオープンドナウ!
どうにかそっともっと近づけないものか。むむ? 何やら様子がおかしいぞ。なんだ、バトルが始まったぞ!?
なるほど、あの子とは仲間同士ではなかったようだね。しかし、魔法少女でも派閥と言うものがあるのか。まあどこにでもそういうのってあるもんね、仕方ないね。
ふーむ……よく見てみるとあのハーフみたいな子可愛いな。実に僕好みの容姿だ。きっと大人し目の性格に違いない。
あっ! カナの奴があの子の服を踏んでるぞ! なんてことだ! これは後輩いびりに違いない! 許せん、許せんぞ魔法少女カナ! あれだけの鬼神のごとき破壊の力で他の子も屈服させているのは明白!
これは至急本部に戻って対策を考えねば!
そしてあの子を上手いこと引き込んで、いつものファミレスにでも行こう。そこで奴による洗脳を解かねばなるまい! これは
待っていてくれ、ハーフの君よ! ハーフの君よ!
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