第2話 人魂


 前回、小学校5年生のときに、初めて霊を見たあと、私には何か変化が起きたのでしょうか?


 夏休みになると親戚の家へ行くのが毎年の日課でした。


小学生の間は、ずっと親に連れられて親戚の家へ遊びに行ってました。


 中学生になってから、1人で旅行するようになりました。

13歳のときでした。


 9人兄弟の親戚の家へ遊びに行ったときのことです。同い年、1つ下、1つ上、18歳、21歳、下は赤ちゃん、3歳、7歳、10歳、と幅広い年齢層に分かれている兄弟(姉妹)たちでした。


 特に1つ上の子と仲良くして貰っていました。

当時、14歳の親戚の子は、もうすでに”働いており”、私はあまり遊んで貰えてなかったという記憶があります。


 そんな折、1つ上の子から、自分より、もう少し時間の取れる弟と遊んでて欲しいと言われ、それを機に同い年の子とよく遊ぶようになりました。


 でも、その同い年の子も当時、もうですに働いていたのです。

それでも、そのお兄さんよりは、時間が取れたので、街へ行ったりして、よく遊びました。


 夏休みの宿題も全部やって貰ってました(笑)


中学生の問題なのに、10歳の男の子にも手伝って貰ってました(苦笑)


みんなで手分けして、夏休みの宿題が、1日で終わりました(汗)


「これで、残りの時間、たっぷり一緒に遊びに行けるだろ」と1つ年上の親戚の子が言いました。


ちなみに私の宿題ですが、私は何もしていませんでした(笑)


読書感想文だけは、自分でやれと言われて、突っ返されました・・・(滝汗)


 そんなこんなで、毎日、親戚の子らと楽しく遊びました。

2泊3日で遊びに行った、翌日、地元に帰る日の前日の夜ですが、同い年の男の子がこう言いました。


「お前明日、帰るんだろう?景気づけに花火やろうぜ」と。


 ふと、時間を見るともう夜の22時過ぎていました。


こんな時間から花火って・・・と思いました。そこは住宅街であり、近くに公園のようなものはなく一体どこでやるつもりなのだろう?と・・・。

まして、川なんかも近くにあるはずもなく、どうするのかな?と思いました。


 そんなことを考えているうちに、親戚の子ががさがさとし始めました。

私は「ぎょっ!?」としました。ま、まさか・・・???

そのまさかでした。


 「ちょ、ちょっと、もしかして、部屋でやんの?」私は言いました。

 「そうだよ」と同い年の子が言いました。


他の兄弟(姉妹)たちはもう寝てました。

静かな住宅街です。


ビール瓶が視界に入りました・・・・・


「ちょ、う、うそでしょ!?」

「なにが?」


「ま、まさか、こ、ここ(部屋)から、ロケット花火やんの?(汗)」と私が言いました。


「そうだけど、なんかおかしいか?」と、同い年の子が言いました。


え?ちょ、ちょっと、もしかして、自分の常識が間違っているの?と自問自答しました(滝汗)


そんなことを思っている間に、次々と火をつけていく、同い年の子。

閑静な住宅街に、ロケット花火の音がこだまする。


う、うそだ・・・こ、こんな現実あるはずがない・・・私は13歳ながらにそう思いました。


「どうした?お前はやらないのか??」親戚の子が言いました。

「せ、線香花火でいいです(涙)」とそれを言うのが精一杯でした。


時間も夜中の0時にさしかかろうとしたとき、残りの花火も少なくなりました。

親戚の子が言いました。


「オイ!見ろよ!!丁度いい”的”が来たぜ」と親戚の子が言いました。


え?的??こんな真夜中に一体なにを言っているのだろう?そう思いました。


「よーし、狙いを定めて、と・・・一発で仕留めてやるぜ」そう言いました。


「ちょ、一体なにを狙って・・・」ふと、その狙いを定めてる方向を見ました。


隣の家から、なにやら、火の玉みたいなものが出て来ました。

な、なんだ!?さ、錯覚か???花火のせいで、目がチカチカしてたせいだろうか?そんなことを思ってましたが、それは、青白い人魂でした。


 「よし!いけ~~~~~!!!」親戚の子がハイテンションで言いました。

ロケット花火は下方を向いて、人魂目掛けて、飛んで行きました。

「パアン!」と言う音と同時に、人魂が弾け粉々に飛び散りました。


私は、思わず・・・・・






「ぎゃああああああああああ!!!!!」と叫びました。




私は恐怖で、その場で、しばらく、呆然としていました。

親戚の子が私をゆすってました。


「オイ!見たか!今の!完璧なタイミングだったろ!!」親戚の子が、はしゃいでいました。


私はもう怖くて、その人魂があったあたりに向け、拝みながら、何べんも「ごめんなさい」連発しました。何十回、何百回と謝りました。

「どうか怨まないでください、やったのは、ボクじゃ、ありません」と何度も言いました。


「よし!花火も終わったし、寝ようぜ~!!」親戚の子はそう言って5分もしないうちに、もう寝てました。

私は、恐怖で全然寝れませんでした。


翌朝、親戚の子が「朝飯食いに行こうぜ~」と言って、目の下にクマの出来た私に言いました。


外に出て、恐る恐る隣のお家を見ると、お葬式の準備中でした。

うううっ・・・こ、怖い・・・と思いました。




親戚の子は、もっと怖い・・・そう思いました。









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