本当にあった怖い話
黄昏の夜月(たそがれのナイトムーン)
第1話 金縛り
霊というのは、人それぞれ見え方が違います。
私が初めて、霊を見たのは、小学校5年生のときでした。
親戚のオジサンが、何を思って、私にプレゼントしたのか今だに謎であるライフル銃のオモチャのセット・・・。
当時流行った?M-16ライフル銃のオモチャです。弾は、オーソドックスなBB弾仕様となっており、有効射程距離は、30M程度。
問題は、何を標的にするか・・・当時悩みました。人に向けるわけにも行かず、10歳の子どもが色々考えるわけです。
自分の部屋から、窓を開け、スコープ越しに外の景色を見ました。
鳥が視界に入りました。しかし、動く標的をオモチャのライフルで狙うなど、愚の骨頂というか・・・当たるはずもありません。弾が無駄になるだけで、かすりもしませんでした。
諦めかけたそのとき、部屋の窓からまっすぐ目線のところに電線があり、そこにスズメがとまっていた。
「これは、もしや狙えるのでは?」そう思い、早速狙いを定めてみる。
1回目、2回目、風に流され、中々当たりません。当然といえば当然です。
15回、20回と試射しました。スズメに当たりました。そして、電線から下の畑に落下しました。他のスズメたちが逃げました。
そして、その日の夜・・・いえ、夜中でしょうか?時間がよく分かりません。
とても寝苦しく、布団の上に”何かが居ました”。
目を開けると、そこには、巨大なスズメが居ましたた。浮いてるようにも見えたのですが、布団が明らかに凹み、お腹の上に重みを感じました。
もちろん、身体は全く動かせません。目だけがかろうじて、動かせる状態です。
声を出すことも出来ませんでした。
スズメは何も言いませんが、ただ、物凄い目つきで当時10歳であった私を睨み付けました。
私の部屋には、窓が1つだけある南側の部屋でしたが、閉めたはずの窓は全開となっており、生暖かい風が入って来ていました。
どのくらいの時間が経過したのでしょうか?10分?20分??とにかく恐怖でしか無かった当時10歳の私は、心の中でひたすら謝り続けました。
しばらくすると、お腹の上にのしかかっていた重みがすぅ~~~っと消えて、巨大スズメが私の前から遠ざかっていくのが見えました。
窓のほうに向かって、スっと消えたとき、私は「ガバっ!」と起き上がりました。全身汗ぐっしょりで、慌てて、窓の外を見ました。手を合わせ、拝みました。
そして、布団に潜り、ガタガタと震えてました。
翌朝、すぐに、畑へ行き、スズメの死体を発見し、手厚く埋葬しました。
謝り続けました。
それ以来、スズメの霊には出会っていません。
ライフルのオモチャは、親戚のおじさんに返しました。
金縛り初体験で、本当に怖かったです。
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