第2話🐾奪還はパーティーの間に

放課後、

私達はデパートに来ました。


今夜着る私のドレスを買いに。


深影さんが悩んでいると

店員さんが声をかけてきました。


そして、決まったのは

淡いベビーブルーのドレス。


そして、深影さんの家に着き

ドレスに着替え、

ヘアーメイクをしてくださいました。


「うん、華瑠、綺麗だ」


昊洸以外で“綺麗”だの“可愛い”だの

言われてムカつかないのは

深影さんだけですね。


『ありがとうございます』


時計はまだ午後六時を指しています。


。.・◆・.。*†*。.・◆・.。*†*。.・◆・.。


タクシーを呼び、行き先を告げ

◆◆ホテルに着きました。


さて、パーティー会場は六階ですね。


因みに、深影さんもタキシードを着ています。


昊洸とは違ったイケメンですが

通りすぎ行く女性達が

振り返ってまで深影さんを

見て行きます(笑)


「瑠依、行くぞ」


わざとらしく、私の手を取り

エレベーターへ向かいました。


《瑠依》とは私の偽名です。


《華瑠》のままでは

色々問題がありますからね(苦笑)


『はい』


六階に着き、パーティー会場となっている

広間からはちょうど、二人の紹介が

なされているところのようです。


乗り込むなら今ですよね(ニヤリ)


バンッ‼


少々お行儀が悪いですが

そんなことを気にしている

暇はありません。


「な、なんだね君は」


『夜華瑠依と申します。


あなたの娘さんに

恋人を盗られた哀れな女ですよ(クスッ)』


よく似た親子ですね。


『彼を返して頂こうと

此処まで足を

運んだしだいですよ対崎さん』


「瑠依、一人で行くなよ」


私に追い付いた深影さんが言いました。


『すみません(苦笑)』


謝る気など更々ない

口調で

深影さんに謝罪しました(笑)


『昊洸、帰りましょう』


例の令嬢の横を通りすぎ

昊洸の傍まで行き、手を取りました。


しかし、その場から動こうとしません。


私の命がかかったているからでしょうね。


「瑠依、昊洸を連れて行け」


深影さんの言葉に頷き、

私は昊洸の耳元で一言

“大丈夫です”と伝え

彼を立たせてエレベーターに向かいました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る