☆【長編】死がふたりを別つから

【概要】

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888440847

 タイトル:死がふたりを別つから

 作者: ルマランゼ

 ジャンル:ミステリー

 状態:連載中

 文字数:241,263字(2020/12/12現在)


【あらすじ】

 心臓痕硝子は完成された美少女だった。繊細な作り物のように見るものの目を奪うミステリアスな少女はしかし、一年前に突然亡くなってしまう。学校の屋上から飛び降りたとされる彼女。その亡霊がいつしか学校にオカルティックな儀式と結び付いた。「降霊会」で彼女の霊を呼び出すあそび……彼女の「呪い」が学校を支配していく。


【語り愛】

 キリスト系の閉鎖的な男子禁制の花園、に蔓延る「美しい少女の呪い」。そそるわ。これでそそられないでなんとする? 女性的な面、アプローチからの魅力というのはいろいろとあげられると思いますが、(キャットファイトとか昼ドラ的なあれそれは私そこまで得意じゃないけど)一人の少女に人生を狂わされている少女たちという構図が好きですね。はい。狂わされているのは学校の少女たちだけではないので、硝子ちゃんの呪いはもはや学校中の人間をおかしくしているといっても過言ではないと思ってるけど。


 死んでいるはずの少女・硝子を「幻視」する主人公・いたみが硝子にまつわる呪いに関わっていくのが基本になると思いますが、ミステリアスな雰囲気を随所から感じます。まず設定と雰囲気がいい。そしてキャラクターもいい。個性の強い人しかでてこないのに、総じて硝子ちゃんに乱されているのがいい。人生がおかしくなる。割と本気で。

 さっきからおかしいしか言ってないなどうしよう。でも本当にその通りなんですよね。誰もが腹に一物抱えていて、それを辿っていくとまあ硝子ちゃんに至ってしまうというか。その執着が恋慕なのか崇拝なのか、感情は人それぞれだと思いますが。登場人物のほとんどが女性であり、タグにもある通り百合つまり女性同士の恋愛を多分に含んだ小説となっていますので、万人受けするかと言われると是とは言えないのですが、様々な人間の思惑、一人の美しい少女に死してなお囚われている人々の引き起こす怪奇現象や問題行動に、人間の業みたいなものを感じます。

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