人外の魔物を「幻想種」と呼び、それと戦う超人・空木勇人はこの幻想種と戦う組織に属しています。そして空木勇人自身が幻想種の中でも最強に近い龍を保持しているのです。「現代ファンタジー」に分類されていますが、甘い感じよりもハードボイルドな雰囲気です。むしろ夢枕獏や菊池秀行、門田泰明の「伝奇小説」を思い起こさせます。そして二つの人格を持つ美少女女子高生のヒロイン。舞台は現代で、強靭な身体と力を持つ主人公、そして謎を秘めた敵。伝奇小説の面白さを、久々に見せてくれる小説です。