書籍化記念 魔我羅の立て直し10
見込みより2週間遅れで、マックスと親父殿が魔我羅にやってきた。
総勢500名、荷車や馬車が連なる大掛かりなキャラバンだ。兵士も多く、まるで戦争かのような物々しさを漂わせながら外壁の近くに陣を敷いていた。
戦意はないと先触れから伝えられてはいるものの、数が数だけに魔我羅の街にも言い知れぬ緊張感を感じる。
「殿、一同揃ってござる」
「……わかった」
こちらから出向く訳にもいかないので、城でマックス達が登城してくるのを待っていた。七面倒だが王様もしがらみが多いのだ。
「魔我羅殿。お久しゅうございます。ますますのご発展の様子。感服でございます」
相変わらずの不機嫌顔でお世辞を述べる親父殿とやや後ろに控えるマックスには、やや緊張の色が見える。
「健勝のようだな」
偉そうに一段高い玉座に腰かけ、偉そうにのたまう。上下関係をはっきりさせる一種のセレモニーみたいなものだ。キャラ作り重要。
適度に挨拶ネタを交わし、近況を聞いていくと……何やら風向きが怪しくなってきた。ただ商人などを引き連れてやってきた感じではないようだ。
「……ということで私兵や家人を一族郎党引き連れてやってきたのだが、受け入れてはもらえないだろうか?」
「……亡命ということか?」
「そうなる」
なんでも、元王国の王族貴族連中などのクーデターをあっさりと鎮圧してきた帝国の武力装置の聖教修道士だったが、ちょいちょいこちらにも暗殺者を送ってくるので、前にあちこちの宗教施設を空爆したらしい。なんかそんなような事をディートが言っていた。
そのせいか知らんけど、修道士達が帝国に引き上げてしまったそうな。
とても既視感だが、虎の子修道士が居なくなってしまった今、旧王都は修羅の時代に突入したらしい。元王族の血筋はもう残っていないらしいが。
「受け入れてもらえないだろうか?」
「……わかった。受け入れよう」
マックスは2回目となる亡命だが、勝手知った魔我羅出戻りなので、特に問題ないだろう。親父殿もそれなりに有能そうだし。
何より、兵士だ。
……男だ。
血に飢えた
こうして、城塞都市
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