第30話 2回目のレベルアップ


蜘蛛部屋で休憩しつつ、報告の為一旦戻ろうか次のボスくらいまでは行こうか迷ってた時だった。






キタコレ!レベルアップだ!






⋯⋯コレはもうアレだな。



経験値とか倒した敵の魔素とかじゃねぇな。



魔素濃度慣れ⋯⋯に近いか。






体内のマナが卵納豆の如くスルスルと流れていく!




これなら射程も!








⋯⋯2mmくらい伸びた⋯⋯かな?




軽く縮地を発動してみるとやっぱり意識から発動のタイミングが若干早くなっていて今までの感覚とは合わない。




⋯⋯よし、撤収!






縮地や飛び蹴り、飛行なんかを軽く発動させ慣らし運転しながらの帰路。




1時間ちょっとでダンジョンを後にした。敵が居ないととても楽。






一応、お馬様と蜘蛛の報告しとこうと傭兵団詰所へ寄る。




窓口で中魔石2個と小魔石54個を提出したら団長室にご案内された。






「今日は馬魔獣を単独で倒してきた。ついでに次のボスの蜘蛛魔物も倒してきた。早く換金してくれ」




「ちょ、ちょっと待て。何があった?」


面倒だが背負い袋から命令書を取り出し団長に開いて見せる。




「⋯⋯人質を取られている」




「何てことを⋯⋯。これじゃ下手すりゃ死ぬまでじゃねぇか!

上手くいったって何もない開拓村で士爵もクソもねぇだろが!」


おおぅ。団長も怒ってくれるとは⋯⋯意外だった。

領主とグルなんじゃね?くらい思ってたわ。ごめん。




「領主に伝手があるなら人質を丁重に扱ってくれと伝えてくれ。あの娘は心が壊れている」




「あぁ。人伝にはなるが念押しをしておこう」




「俺も自重するのは止めることにした」




「⋯⋯どういう事だ?」




「好き勝手にしてくるなら、こちらも好き勝手にさせてもらうという事だ」




「⋯⋯俺も急ぎダンダムに戻り、直接動こう」




「そうした方がいいかもな」




その後は、お馬様部屋からメインストリートを行って4つ目の部屋が蜘蛛部屋である事と、3メートルくらいの大きさで天井に張り付いている事、背中側は硬いので落下中の腹側を狙うのがいい事を教えておいた。




情報共有大事。




話している間に受付の人が魔石代の大銀貨4枚と銀貨64枚を置いていった。




「今後は1割増しとさせて貰う。だがあまり無理はしない様にな。言っても無駄そうだが」


そう言えば色付けるって言ってたね。忘れてた。




「⋯⋯精々、死なない様に頑張るさ」






俺は宿へ向かった。




傭兵団詰所からは馬の嘶きが聞こえた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る