第4話 2週間目の村人
開拓村にやってきて2週間たった。
靴は結局、木の皮をツルで足に固定しただけの物を作ってみたが、村で一大ブームを巻き起こした。
みんな足痛かったんかい!
今では、奴隷カースト底辺仲間のダン爺が靴作成を一手に担っている。3日で壊れるので中々忙しい様だ。
腕とか足とか肌が露出してるこの格好も何とかしたい。木の皮アーマー?脱着の難度高えなぁ。足をガードするくらいの物はありかもな……。
家の建築は道具を手に入れた事もあり、多少ましな建物を建て始めた。現在は2棟目が仕上げに入っており土壁を塗っている所。
途中、1棟目の屋根が風で飛んでいったりと匠の道はまだまだ遠い。
大体、柱とか1人で手斧で刈って1人で運べて1人で建てれるレベルの細い木だし、茅葺風の屋根も雨漏りを完全に防ぐ様な物は無理なんだよね。
一応、下地に大きい葉っぱを下葺きにしてるけどこれも寿命は短そう。
後は、木材乾燥スペースかな。
今まで寝てた柵側エリアの屋根を補強すればオッケーかも。
葦の薪だと燃え尽きちゃうの早くて火の番が面倒なんだよね。木を乾燥させて薪にしたい。
靴と家の功績か、爪弾きにされてきた子供・老人・異人の我々非力底辺三人衆は若干待遇が良くなった。
具体的には「無駄飯食らいは早くくたばれ」から「俺達のために働け」になり、意味の無い暴力が減って、朝晩の主食の芋が1個から2個に増えた。
10日に一度くらいの割合で城塞都市から見回りついでに食料の配給があるのだが、他の開拓村より発展してたため褒められて配給量が少し増えたらしい。
こういった開拓村送りは奴隷だけらしく、怠けてたり逃亡者が出たりすると容赦なく配給量が減らされる様だ。死ぬのはいいのか?
開拓村送りって普通に逃亡して山賊増えそうな制度だなぁと思ったけど、魔物だのが居る世界で山に逃げ込むのは自殺志願者みたい物なのかも知れない。世知辛い世の中だ。
そんな事をツラツラと考えながら草刈りしてたら隣で腹が鳴った。
「腹減った」
育ち盛りのキー君はやはり芋が増えた所で足りないんだろう。増えた時は凄く喜んではいたけども。
「キー、水、行く?一緒、探す?」
俺も腹は減っているのでとりあえず食材探しの旅(水汲み)に誘ってみる。
「行く!」
「ダン爺は?」
「行こうかの」
ダン爺は年の功だけあって食べれる木の実や草に詳しい。一緒に行ってくれると捗るのでありがたい。
育ち盛りにはタンパク源が足りないよなー。
獲物を仕留めるのに罠とか毒とか欲しい所。
現地語で罠とか毒とかって何て言うんだろなー。
剣と魔法ってどこ行ったっけ?
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