第5話
やまちゃんは、ケン君たちが苦手みたいだったから、今日は誘わなかった。
もしかしたら、山でばったり会うかもしれないけれど、その時に一緒に遊ぶか聞こう。
木に登り、虫を捕り、木の実の生る場所を知り、いつの間にか真っ黒に日焼けしていた僕を、ケン君たちは「見直したよ」と迎え入れた。
みんなでわいわいと騒いで遊ぶ。
これも、思っていたより、悪くない。
そう、僕は思った。
思っていたより、こわく、ない。
それから幾日かは、みんなで遊んだ。
みんな。だ。
やまちゃんも、一緒に。
みんなで山で遊んでいると、時々やまちゃんも加わった。
僕が無理やり引きずり込んだのだ。
やまちゃんは僕と一緒の時よりはあまりしゃべらなかった。
誰かが、むやみに草木を引きちぎったり、虫を乱暴に扱ったりすると、やんわりと止めながら、それでも楽しそうに笑っていた。
ああ。よかった。
僕は心の底から、満たされる。
友達も、悪くない。
笑い転げるみんなを見て、僕も大きな声を立てて笑った。
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