第8話 12人の死にたかった子供達


「行ったか」

 セイゴはゆっくりと息を吐く。

「まあ良かったじゃねえか、アイツとの約束を果たせて」

 サトシはずるずると座り込む。

「ええ、本当に……」

「それにしては、サトシくんも死ぬことに賛成だったけどね。演技?」

「本心ですよ。事情を聞いたら生きろと安易に言えませんでした」

「……きっと賛成した側は、みんなそう思ってたよ」

「それでもマキは生きることを選んだ」

 サトシは初めて笑みを浮かべた。

「……みなさん、ご協力、ありがとうございました」

 まさか全員が集まるなんて、完全に予想外。

「多分、シンジロウくんのお願いごとだったから、みんな集まったんだよー」

「そうだな。あいつには、世話になったからな」

 どうか義理の弟か、妹を支えてくれないか。

 そう書き残した、かつての集いの仲間を偲ぶ。

 めいめいが、もう顔を出すことのない、12番目の参加者を思う。

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