2019年4月(3)

 そして中谷ちゅうやちゃんは体力勝負の子だと思い知らせてくれる事を言い出した。


「じゃあ、中華街に行ってローラーしようか」


 比嘉ふみよは速攻で止めた。


中谷ちゅうやちゃん、それは効率悪いよ」

「でも今晩話をしたいし」


 そこは頭を使わなきゃ。比嘉ふみよはニコリと笑うと隣の部屋の扉をノックした。先程、北見きたみ先輩のバイトを教えてくれた先輩がドアを少し開けた。


「あんたたち、まだいたんだ。で、何よ。」

北見きたみ先輩のメッセか携帯番号を教えてもらえませんか?」

「あんたたち同じ寮生だとしても電話番号は本人に聞いて。メッセはちょっと待って。あんたたちの名前は?」


 私達3人の名前を教えた。

「左から西田摩耶、中谷皆美みなみ。そして私は比嘉ふみよです。私たち、軽音楽部なんですけど北見きたみ先輩にお願いというか相談したい事があって」

「ちょっと待ってて」


 先輩は手元に持ってきたスマフォを操作してメッセを送ってくれた。


「良かったね。休憩時間か何かですぐ返事くれたわ。これ、あの子のメッセのアドレスだから」


 スマフォの画面を見せてくれたのでその場で自分のスマフォに入力した。先輩にお礼を言うと「ま、貸し一つかな」といってドアを閉められた。


「廊下でうるさくしたらアレだから食堂に行こう」


 3人連れ立って食堂に移動した。中谷ちゅうやちゃんは早く行こうぜというモードらしくうるさい。


食堂でスマフォのメッセアプリを起動して北見きたみ先輩宛に事情を書いて送った。すると北見きたみ先輩からすぐ返事がきた。


ふみよ:という訳で一度会って話をさせてくれませんか?

しゅり:Tianfei 2100。門の前かな。入れないと思うから。休憩時間が終わるからこの後返信は無理。

ふみよ:あの〜?


うーん。既読にならないな。

そして私たちは3人で顔を見合わせた。


「なんだ、これ?」

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